背面のディテール、雪の比良山地


明後日に大阪高槻で新たな仕事が入ってしまったので、今日は帰らずに予備日としてまた滋賀に滞在することになった。福島からの参加者Yさん、熊野から撮影に来てくれた東条君を見送ったあと、今日はHACHIYADO339のカフェとしての営業日でもあり、その様子を見せてもらいながら、囲炉裏暖炉の裏側・土間部分のディテール(収まり)をスケッチブックに描き起こしていた。

イタル君が倉庫にある木材を確認してほしいというので見にいく。前回に出たケヤキの古材のほかによく乾いたイチョウの太い材があった。すでに鉋がかかっている。これをそのまま1本で炉縁と天板を兼ねるという手もあるが、炉縁はこのイチョウとして、やはりストーリー性からも天板は古材のケヤキがいい(内側を銅版で防火する)。

結局、囲炉裏暖炉の石のフーチングと土間のかまちの天端、そしてフローリングの3者がツラ合わせですりつくように組むのが良いと思う。暖炉部の立石は大谷石を使うが、フーチングは御影石。そして土間側に守山石が見える。立ち上がる大谷石の背中はススで汚れないので、囲炉裏暖炉の裏側では3種の石を見ることができる。

石材の美しさを縦長で薄いかまちで縁切りしたい。倉庫にちょうどいい役物の天然スギがあったのでそれを使おうと提案。ここはかまちに銘木過ぎるものを使わず石の存在感を見せる。囲炉裏暖炉の正面はブラッシュしたステンレス、そしてシルバーの丸煙突できらびやかだが、裏のディテールでも唸らせるという趣向。

ところでイチョウの高さがないので僕のアトリエの囲炉裏暖炉よりも天板の高さは5㎝ほど低くなるが、そのほうが暖房効果は高い。

ようやく収まりが見えて来て、略図もできたところでリンダ嬢が「カフェのランチを食べて批評して」とお盆を持って来た。自然農の五分づきの米に琵琶湖の小鮎の佃煮をはじめとする小さな惣菜で、最後に濃いめの出汁で茶漬けにして(そのためのチリメンジャコとあられがついている)食べる・・・という京風のランチであった。

器もよし、内容も間違いなく美味しかったが、僕が目を奪われたのは杉の一枚板のプレートである。赤身でこれだけの幅を、それも薄く仕立てて反らないというのはよほどのブツだ。奥永源寺の天然杉だそうだ。

これと同じものが40ミリ厚に仕上げられ、囲炉裏暖炉の部屋のフローリングに張られる予定である。そのほか壁の漆喰仕上げや、天井の「ヨシべニア」の発注と施工、はたまたポール・ダンス用のポール(ホントにつけるのか?w)をどうするか? と、次回のワークショップまでにまだまだやることがある。

午後にHACHIYADO339を発ったのだが、今日は月曜日で公共の博物館は休館。それでも高島の針生地区のカバタを見に行ったり、

道の駅で鮒寿司を仕入れたりして、再び琵琶湖大橋を渡って湖東へ。途中湖岸道路から雪を冠った比良山地が見え、車を止め写真を撮る。振り向くとちょうど三上山(近江富士)が対置するのだった。

日牟禮八幡宮へ。

ヴォーリズの建築。

夜はやっちゃん宅に泊めてもらい、鮒寿司とハスゴ寿司をつつきながら囲炉裏暖炉ワークショップの成果報告と明日の打ち合わせ。


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