大谷ゆみこ著『7つのキーフード』のひとつであるエゴマは、いま話題のオメガ3オイル「αリノレン酸」のかたまりである。しかし、植物の表皮というものはこんなにも酸化を防ぐ機能を持っているのか? 軽く炒ってすり鉢であたるとエゴマ独特の、なんともいえぬ香ばしい匂いが立ち上がってくる。
本のレシピにあるふりかけは、これにお醤油をちょっとふって混ぜるだけ。
エゴマはまだたっぷりある。この春にはこのタネを畑にまいてみよう。
海藻も『7つのキーフード』の一つだ。日本は海藻の宝庫であり、世界にもまれにみる海藻利用国である。農耕が定着するまでは、海藻は重要な食料だったはずだ。その証拠に『万葉集』には、海藻を詠み込んだ短歌や長歌が100首近く記録されている。
海藻に含まれるビタミンCは熱にも強い。ぬるぬる成分は食物繊維で、排毒や細胞膜の強化も期待できるという。海苔、ワカメ、昆布、ヒジキは常時ストックがあるが、先日「春日水神市場」でこんなものを見つけた。
水ですぐもどり、さっと火を通すと濃厚な海藻臭がして旨い。
考えてみれば四国は海藻に恵まれていて、男木島の小林さんもその種類の豊富さと味わいを絶賛している(しかし、いま島の人はほとんど採取して食べていないという)。淡水だが吉野川や四万十川の青のりもスーパー手軽に買える。
現代の慣行農法の野菜は、タネからしてF1で、かつ化学肥料と農薬、そしてそれらに痛めつけられた土によって、昔の栄養価の数分の1〜数十分の1であるという。昨年、「墨歌」の酒井先生との出会いもあって野草を今年の春から本格的に勉強しようと思っているのだが、海藻はいわば「海の野草」なのだから、こちらも併せて探求したい。