世界パンと『ローレルの台所』のスープ


所用があって町に出かける。ついで塩とコメを買いにちろりん村へ。入ってすぐにパンの棚があるのだが、できたて「世界パン」が届いていたので買ってしまった! 食パン買うの2ヶ月ぶり以上かも?

世界パンは大阪の堺市にある天然酵母のパン屋で、「北海道の世界パン専用粉、種子島の洗双糖、兵庫県の自然塩、三重県の平飼い有精卵、そして天然酵母から育てたルヴァン」を使っているというこだわりのパン。これが香川で買えるのはありがたいことである。

ただ焼いてバターをぬるだけ。これが・・・あああやっぱりパンはやめられぬ‼️ と声を洩らすほどに、美味い・・・。しかしグルテン濃度の高い小麦は麻薬に匹敵するほどの中毒性があるというから怖い。食感がふわふわしているパンやお菓子がとくに危険なんだそうだ。

夕刻、スープをつくる。グリーンスプリットピーを茹でながら、トマト、タマネギ、ニンジン。ジャガイモを入れ、さらにシイタケとセロリを入れる。もうそのへんの野菜全部入れ・・・という感じだが(笑)、ベースに豆が入ることでぐっと美味しくなる。豆が出汁がわりの力を出すのである。

豆と野菜が煮えたらバイタミックスでポタージュにして塩で調味。まずはこれで味味をし、

冷凍してあった畑のモロヘイヤの茹でたのをバイタミックスに入れ、スープを少し戻して水を加えてピュレに。

前のポタージュに混ぜてみる。

微妙な色になりました(笑)。味はいいです! これは丸元淑生『よい食事のヒント』(新潮選書2003)14ページ「昔風グリーンスープ」のレシピから。スパイスはなしで塩だけというシンプルスープ。

講談社の『丸元淑生のシンプル料理』(1993)にも同じ名前の料理があるが、こちらはトマトやキノコは入らずズッキーニとパセリが入り、モロヘイヤではなくホウレンソウ使われている。

「ヨーロッパにはまだこういう圧倒的なグリーン・スープを出すレストランが残っているが、私はそれを真似てつくろうとして、なかなかつくれなかった。また、多くの料理書にみるほうれん草のスープは、およそこの昔風のスープとは精神の異なる、つくってみる気にもなれない料理だった」(『丸元淑生のシンプル料理』p.14)

そして丸本氏は新たなレシピを、アメリカの古典的ベジタリア名著『ローレルの台所』(The New Laurel’s Kitchen by Laurel Robertson )によって得る(ローレル書の英文料理名は「Old Favorite Green Soup」である)。

「『ローレルの台所』でこのスープのレシピを読んだとき、やはりこれはすばらしい料理書だな、と改めて思った。名曲の楽譜を見るような思いでレシピを何度も読み返したが、秘密はグリーン・スプリット・ピーにあったのだ。ヨーロッパのグリーン・スープを真似てどうしても同じ味につくれなかったのは、この豆が欠けていたからだった」(同書)

『ローレルの台所』は日本語訳が出ていないのだがkindle本があるので入手してみた。電子書籍はタブレット上で翻訳ができるので便利である。

エリザベス・デイビッドの『French Provincial Cooking』と同じように写真はいっさいない。が、同じようにモノクロのイラストが素敵である。

そして、この本(『丸元淑生のシンプル料理』)は次にゴールデン・ブロスを使った「ゴールデン・スープ」に続くのだが、丸本はこのレシピを「世界でも数少ない野菜スープの傑作の一つだと思う」と書いている。このスープの紹介はまた別稿に譲ろう。

冷凍のレバーの残りを出してニラレバに。

冷凍してからちょうど1週後。間軽く火を通して冷凍すると、レバーは味が変わらず美味しいということがわかった。


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