木工家・サトコ氏来訪


小豆島のSさんの紹介で、男木島石積みwsの3日目に朝イチの船でやってきたのは、年若い木工家だった。彼女は東京から漆(うるし)を習いに、今年から高松に来て住んでおり、木工旋盤で作品をつくるのに工房となる場所を探しているという。その日は皆と一緒にタンク岩に登り、灯台の海に行き、夜は僕のアトリエでの宴会にも参加し(買い物も手伝ってくれた)、自転車で帰っていった。

僕は前日に皆とともに石積みを完遂し、タンク岩のあと灯台の海でもしっかり泳いで、アトリエに戻っては皆と飲みながら料理を作り、はてはタマリン紙芝居の歌までやらされてフラフラになってしまったので、あまり彼女と話すこともできず、「なんならパルテノン空いてるから使ってみる?」と言ったきりだった。

というわけで、後日また彼女は自転車でやってきて(彼女の住むマンションは僕のアトリエから3.5㎞くらいのところにある)。アトリエ内部やパルテノンを見てもらった。この中に木造で小屋を作って作業場にしてはどうか? というのが最初の思いつきだったが、彼女がインスタに上げている作品を見、さらに

「実は今日、作品を持ってきたんです」

と、彼女がリュックサックから取り出した作品(それは挽物の材を組み合わせた抽象彫刻的なスツールだった)を見て、僕は母屋に隣接する下屋(家屋の方)を使うことを提案した。いま下屋はたんなる物置と化していて、なんとかしなければ・・・と思っていたこともある。

つまり下屋にある荷物をパルテノンに移動し(物置を作る)、下屋を空にした上で彼女に使ってもらうというプランだ。もちろん、僕の木工道具もそのまま置かしてもらい、共同の作業場とする。

また彼女が自然農の畑をやりたがっていて、その場所も探しているという。東京時代には自然農の先生について習っていたとかで、その実践を心待ちにしているというのだ。それまたアトリエの畑でやってもらったら願ってもない話ではないか。いまの大地の再生と植樹管理だけで手一杯で、とても畑まで手が回らないからだ。

というわけで話は即決し、僕は滋賀のキャンプイベントに、彼女はいちど実家の東京に戻って木材などを取ってくるという手はずで、本日再び合流したというわけである。彼女は時間通り9時に来て、車のなかの荷物を下屋に運び入れ、パルテノンや畑の草刈りをいっしょにやろうと思ったのだが、雨足が強まりひとまずアトリエの中へ。

ひとしきり話を交わしたあと、少し早い昼食を出した。前回の対話から感じていた通り、彼女は自然食にも通じており、それが自然農への追求や、ひいては木工へと導かれている感じが頼もしかった。ある意味、若いのに老成しているというか、未来へのベクトルが出来上がっているのである。

雨が小止みになったのでカマを持って外に出、草刈りを始める。お互いに次回の植え方や冬野菜のプランなどが次々と飛び出す。彼女はミントやシソやバジルなどのハーブ類をお土産に手に持ち、車で帰っていった。

instagram.com/satokotaura/


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