蜜蝋を取る


2週間をとうに過ぎて、18日目に入った禁酒&ヴィーガン食。不思議と飽きない。冷蔵庫にはいつものエビスビールや、イベントで残されたレモンサワーの缶などが冷えており、アイランドテーブルの下には、日本酒や焼酎のパックなどが控えているのだが、手を出していない。

ここに来て発見して、気づいてしまったのだ。動物食から解放されると、料理がすごく楽で早いということを。もうひとつ、肉や魚を調理することは、僕にとってかなりストレスフルだったのだ・・・ということを。

とくに魚介をさばくことは、かなり苦痛をともなう作業で、ハードなおろし作業のあとはぐったりしてしまって、食べる喜びよりも、さばく苦痛のほうにエネルギーを使い果たしてしまうことが多かった。僕は生来魚介の生臭さが苦手なのだ。

その点、野菜料理はいつもご機嫌である。またヴィーガン料理は油もあまり使わないので洗い物もすごくラクだ。今後は、特別なハレの日以外、動物食から離れていくことになるのだろうか?

しかし、となればあのキャンプの初日のやけど、そしてヒーラーのMさんとの出会いには感謝しなければならない。いやその前に、このキャンプに強引にも誘い出してくれたKちゃんにも・・・。彼女が鍼灸師でヒーラーとしての資質を持つということを、僕はまったく知らなかったのだ。

朝、小豆ご飯を炊く。Kちゃんが「治療中なんだからもう少持っていけば・・・」と小瓶に渡してくれた梅干しももう残り少なだが、それを真ん中にのせ、黒ごまを炒って塩と擦ったごま塩をかけて食べる。

昼前、yuiさんのご実家に蜂蜜を届け、三越、ちろりん村、水神市場を回って買い物。帰宅してバナナとビーツと豆乳でバイタミックス を回してみた。ビーツの赤がよく出たが、味はバナナが勝ってしまってイマイチだった。

DAISOで蜜蝋グッズを買うのを忘れていた。再び車を出して、鍋などを買う。2回目の絞りでこれだけ出た。

瓶が足りなくなり、使えそうなものの中身を移し替えて瓶詰め。

さて、蜜蝋取りをしようか。買ったグッズはコレだ。全部で1,400円くらい(鍋蓋が高かった!)。蜜蝋取りは、台所道具を流用するわけにはいかないのだ。ロウがへばりついて取れなくなるからだ。

以前は大鍋に湯を沸かして、そこに巣の絞りクズを玉ねぎ袋に入れ、それを煮ていき抽出していたのだが、今回は蒸し器を使ってやってみたい。蜜蝋は融点が低いのでこれでも十分分離できる。蒸し器を使ったほうが、ゴミが混ざりにくいという利点がある。

ここでチビカマ君の登場!

鍋に水をはり、蒸し器を入れて巣クズをのせ蓋をする。

火にかける。

お湯が沸き、蒸気で蜜蝋の成分が溶け始め、穴を通して下に落ちていく。

落ちきったところで蒸し器を上げ、お湯に浮かんだ蜜蝋をお湯ごと別容器にとる。これを何度か繰り返していく。

不純物のカスが残るので、2回目を入れる前に取り去っておく。

鍋に水を入れなおして2回目。

ロウの成分が溶け出してくる。

こうして3回が終わる。最初と2回目のものはロウが固まり始めている。

容器がなくなったので4杯目はペットボトルを切ってそれに入れた。

さらにもう一回、油こし紙で漉して細かい濁りを取り除くのだが、もう少し固める必要があるのでまた後日。容器にこびりついたロウは洗剤などでは取れないので、このまま蜜蝋専用の道具として格納しておく。

Amazonに注文していた本が届く。

夜も朝と代わり映えしないメニュー。しかしこれが美味しいのだから仕方がない。美食に凝って晩酌を繰り返していた頃からは考えられない食生活だ。

食べている途中で西日の黄昏がなんだか異様な雰囲気になっている。胸騒ぎがしてもしや・・・と海の方を見てみると・・・

(以下次号)


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