小サバの干物、断熱と花火


今日は冷凍庫のストックから。以前おすそわけいただいた小サバをピチット干物にしておいたもの。袋のまま流水で解凍します。

囲炉裏暖炉の炭火で・・・といきたいところだが、さすがに今日はガスレンジで(笑)。

7月は雨ばかり降っていたのに、8月に入って気温上昇の日照り続き。なにしろ夕刻17時を過ぎても気温は36度!・・・なんて日も! アトリエに居るときは朝から夜までエアコンを切ることができない。ようやく夜になってバルコニーに出てみるが・・・外気はまだムッとした暑さ。床のスギ板もぬる熱く湿った感触・・・。おいおいここは本当に日本なのか?(笑)

2Fのエアコンは200vの中型機で、カタログの冷房スペース目安は 15~23畳用なのだが、2Fのワンフロアーは30畳で、1Fとも階段吹き抜けで通通なので心配だった。が、そこは現代仕様で作られた高断熱・高気密住宅、サーキュレーターと併用すればまあ快適に仕事はできる(電気代が心配だが)。

焼けた。塩味はちょうどいいが、脂ののりはイマイチでちょっとパサパサ。

汁物はお盆の根菜の残り物でけんちん汁。

となると日本酒ですな。讃岐の酒「金陵」の純米を冷やで。

きゅうりのぬか漬けと白飯で。

冷房すると「夏型結露」といって壁内部や床下に結露水がたまってカビを呼んだりする。東京にいたころ国産材の産直住宅の勉強会によく参加していたが、無垢の木の高級住宅であるはずが、影でこれが問題になっていたのが印象に残っている。

冷房の効きと結露対策には高気密・高断熱型の家づくりが重要なので、伝統木造工法とは相入れない部分があるのだ(伝統木造は風通しがよく、悪く言えば隙間だらけ)。そのような家を、重厚に造り込んで山間部に住まうなら、エアコンは不要であろう。しかし現実的に多くの家はそうではない。

現代住宅の造りはエアコンを標準装備に考えた高気密・高断熱型に向かい、プレカットでコストダウンを測ってきた。日本のプレカット技術はコスト面を考えても世界的にも非常に高いレベルにあり、現在では新築住宅の95%が採用している。しかしそれには木材変形のない素材が重要で、すなわち無垢なら乾燥材を、この頃は集成材が多用されている・・・。

8月のエアコン暮らしをしていると、現代の木造住宅の様々な側面を考えてしまう。住宅産業、それが林業と直結しているからだ。ともあれ「家の作りは夏を旨とすべし」のノリでセルフビルドの小屋暮らしをやっていたら、この高松の7〜8月は地獄のようになり、仕事にならなかったのは確かである。

食事を終えたころ西の方角で花火が上がった。バルコニーとは逆の方向である。なので外へ出てみた。

アトリエの家づくりと森のドキュメント『「囲炉裏暖炉」のある家づくり』にはエアコンとの関係について書かれていないが、アトリエ建設で組んだローンは新築の技術基準に断熱性能が設けられていて、必然的にエアコン向きの高気密・高断熱型になった。

いま日本では、住宅単位での省エネルギー・創エネルギー化を目指しており、政府は「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEH※の実現を目指す」としている。

※ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略した呼び名で、住まいの断熱性能や省エネ性能を向上し、さらに太陽光発電などで利用し年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)をおおむねゼロ以下にする住宅をいう。

これに添えば伝統工法の木造住宅は生き残れないことになる。すなわち高気密・高断熱型の住宅でいかに木材を合理的かつ美しく用いるか・・・が重要になってくる。それは高気密・高断熱型で健康に暮らすための知恵でもあるわけだ。

林業にとってもう一つの生き残りはリフォームの需要である。こちらは法的規制はないわけだが、先の「断熱と結露」の知識、そして木材加工の物理的な知識や技術、インパクトドライバーの活用などが必須になるだろう。

そして根本にして最大の課題は過酷な大地を変えていくことで、これは地球規模の問題である。


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