蜜蝋を採る、巣蜜を食べる


数日前、採蜜を終えた巣の殻から蜜蝋をとった。放置しておくと蜂の巣を食べるハチノスツズリガの幼虫がいつの間にか出てきて巣殻を食べていたりするので注意が必要だ。できるだけ蜜蝋を早めにとるか、そのまま密封して冷蔵保存しておく。

今回は量が少ないので小鍋に巣殻と水を入れて加熱し、浮かんできたゴミをすくって捨てていく。蜜蝋の融点は65度で、空中に持ち上げたとたんに蜜蝋が固化するので「カス揚げ」で取ったゴミの上からより目の細かい「アク取り」で挟んでロウ落としながら無駄にしないようにする。

鍋は蜜蝋専用のものを用意して、独特の臭いがこもるので室内ではなく外でやるとよい。ゴミがおおかた取れたら。そのまま冷ます。

すると固まった蜜蝋を簡単に取り出すことができる。

重箱一つ分からこのくらいしか採れない。

残った液体は誘引剤として使えるのでペットボトルに入れ、来シーズンまで冷蔵保存しておく(常温だと発酵してペットボトルが膨らんでしまう)。

重箱一段を切り取って採蜜するとき、巣房の端のほうは白っぽい。ここは蜜が含まれていないか含まれていても貯蔵が中途半端で蓋がされていない部分である。

そこは不純物が少ない部分なので、ネットで垂れ蜜を採るときに別に取り出しておき、蜜蝋は別にとる。蜜がたっぷりある巣房が茶褐色をしているのは、蜜を貯める前に育児に利用されていたからだ。巣房の中に産んだ卵が幼虫〜サナギ〜成虫になる。巣房の中には幼虫のフンやサナギの抜け殻が若干残る、それで茶褐色なのだ。

もともと作ったばかりの巣は真っ白なのである。不純物が少ないのでこのまま湯煎で溶かして油を混ぜると蜜蝋ワックスやリップクリームがすぐに作れる。

部分的に蜜が入っている所は、そのまま食べると濃厚な蜜を味わえる。これを「巣蜜」(コムハニー)といい、花粉を含んだ栄養価の高い風味のある蜜である(これを高額で販売している業者もいる)。最後は口に蜜蝋が残るのでそれは吐き出したほうがいいけれど、多少食べてしまっても体内の酵素の働きで分解・排出されるので体の中に付着するような心配はないそうだ。

吐き出した蜜蝋も捨てないで保存しておく。まとまったところで蜜蝋をとる。蜜蝋からロウソクを作ることもできる。今年はクリスマスまでに作ってみようか。

ちなみに垂れ蜜を終えた巣殻をネットのままステンレスざるに載せ、上から手で押して2〜3日放置しておくと、まだ小瓶一杯ほどの蜜が垂れる。ただ不純物が多いせいかやや茶色い。これは加熱調理に使うなど自家用にする。


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