どんぶり2種、干物の風


忙しいときは丼物になりがち。昨夜の自家製カツ丼に赤出汁。自家製かえしはこのような丼物にも使えるが、天丼・親子丼・カツ丼では微妙に濃さや追加調合が変わってくる。カツ丼のときは砂糖をちょっと足してコクを深めないとつゆが具に負けてしまう。

昨日、ぬか床に山椒の実、鰹節の削り残り、昆布、などを追加した。エリンギが意外に旨いという情報を得て漬けてみた。ふむ、玄妙なる味と歯ざわり。

夜はまたどんぶり。中華丼である。白菜が入るとそれっぽくなるようだ。鶏ガラスープの冷凍を使い切ってしまったので、固形ブイヨン半個に野菜クズでスープを代用した。これはこれで美味しく、最後まで飽きないで食べれた。

今日はブログをアップする合間に辰巳芳子の料理本を読んだのだが、この人はマクロビ系とはまたちがったベクトルで自然食を追求しているところが面白い。丸元淑生も同じだったが、辰巳さんは肉食を否定しない。しかしあくまでも自然の理に適った、家庭料理の健康を追求する。

ハッと気づかされたのは干物の干し方だった。干物ネットを使わず金串で刺して裸で風に晒している。これを見て「格子のネットを通過する風は本来の風ではなくなっている」というような「大地の再生」の矢野さんの言葉を思い出した。

辰巳芳子『仕込みもの』(文化出版局2013)

だとすれば干物ネットの中は風が弱まるだけでなく風のエネルギーもほとんど作用しないのではないか? だからピチットに走ってしまったこともあるのだが・・・。この事実に気づいたとき身体に電撃が走った。

今回借りてきた『仕込みもの』という本の中に「風仕事」という言葉が出てくる。「ものと人、風と湿度とそして時間・・・この関わりの中で物事は始まり、終わる」と辰巳さんは書く。

風仕事・・・新たな鉱脈に出会った思いだった。


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