至くんが豆とトマトの残りを置いていってくれたので、彼がネパール現地で教わったという作り方を真似て豆のスープカレーを作ることにする。磨り石も置いていったのでそれでニンニクをすりつぶす。ニンニクはけっこう多め。
材料はあとタマネギとショウガ。
豆はひき割りの小型レンズ豆。ネパールではラトダルと呼ばれるポピュラーな豆みたいで、一昼夜水に浸す必要がないので便利だ。そして色がキレイ。英名はレッド・レンティル。
まずクミンとマスタードを油でいためる。焦がし過ぎてはいけないが、クミンが赤茶色になるまでしっかり炒める。ここが第一のポイント。
タマネギ、ニンニク、ショウガを入れる。
タマネギは飴色になるまで炒めなくてもいい。トマトを入れる。このトマトが液体化してからも炒め続け、ちょっと焦げができるくらいまでやるのが第二のポイントのようだ。
十分炒めたところで豆を投入。ひたひたに水を入れて戻しておいたもの。
味付けはネパール産岩塩で。
カイエンペッパー、ガラムマサラを追加。
豆がやわらかくなったら出来上がり。
ご飯にかける。ウチはコシヒカリですが、向こうではやはりインディカ米だそう。
手で食べる。これでなぜかワンランク味がアップする。味付けは岩塩だけなのにこの旨味と甘味が不思議である。
至くんが作ってくれたのはムングダル(Mung Dal) で、中でも皮をとってひき割りにしたものだった。丸元淑生の栄養学によれば豆は非常に重要なパーツであり、以前そのことは何度もブログに書いた。
穀類や豆類は肉類に比べてタンパク質のアミノ酸組成が理想的でない。ところが穀類と豆類二つが組み合わさるとお互いの欠けたアミノ酸組成が補完し合い、肉と同じようなタンパク質となる。
肉も豆も高タンパク食品だが、
肉・・・高脂肪、低カルシウム、無食物繊維
豆・・・低脂肪、高カルシウム、高食物繊維という相反する大きな違いがある。そして前述のように、豆はご飯と食べ合わせることによって肉に勝るとも劣らないタンパク価となる。豆はまた、植物栄養素の宝庫でもある。
神の采配なのか? 豆は肥料を必要としない。アトリエの畑でも、無肥料でよく育つ。
しかし、スパイシーな豆のスープ・カレー料理は、米の副菜にするには最高の調理法だと思う。高級食材を使っているわけでもなく、香辛料をたくさん使っているわけでもないのに美味しい。やはり伝統食の知恵、そして栄養的にも優れているのだろう。
今年は屋久島やカリフォルニアから貰った豆のタネがあるので畑で作ってみよう。豆はタネが確実に自家採種できるところがまたいいのだ。