コレなんだと思います?
正解はサンショウの実。
サンショウはミカン科。ようするに、青いミカンの極小のモノ、という形をしている。敷地に大きなサンショウの木が2本。その実を摘んで佃煮を作ってみた。ウドの味噌漬けもいい色に仕上がってきたので、それを刻んでともに木綿豆腐の上に載せた。うまし。
キドニービーンズ(イタルさんから貰ったササゲですが)のサラダ。一晩水につけて戻した豆を水煮。汁を切ってお酢とオリーブ油で和える。冷めたらタマネギとパセリを混ぜる。
パリとロンドンに旅行したとき、お惣菜に豆のサラダがたくさん売られていて不思議な感じがしたものだ。日本で豆料理といえば、砂糖を使った煮豆くらいしか思い浮かばないが、世界では実に様々なカタチで豆が食べられている。インドではもちろん豆のカレー。中近東~ヨーロッパでは豆は、何千年もの間サラダやスープで常食されてきたのだ。
『丸元淑生のクック・ブック』(文藝春秋版1987)の冒頭は
「豆の栄養的な重要性が認識されるようになったのはごく最近のことである」
という一文で始まる。
「世界のさまざまな文化圏の、伝統料理の根幹に共通するのは、穀類と豆の組み合わせで、それで人類は伝統的にタンパク質をとってきたことがわかる」(同書、要約)
穀類や豆類は肉類に比べてタンパク質のアミノ酸組成が理想的でない。ところが穀類と豆類二つが組み合わさるとお互いの欠けたアミノ酸組成が補完し合い、肉と同じようなタンパク質となる。
ごく最近の現代栄養学がそれを発見したのだが、人類は経験的にそれ~補完し合うアミノ酸組成~を知っていて、ずっと穀類と豆を食べ合わせてきたのだ。日本では豆腐・おから・納豆などが常食されてきたし、味噌・醤油など大豆加工調味料は一日も欠かさず食卓に上った。
ここ群馬の山村では、少なくとも大豆、小豆、ササゲ、白インゲンの4種の豆は常食されてきたことが、イタルさんの畑仕事ぶりからうかがえる。砂糖がこれだけはびこったのは戦後のことだから、以前はちがう形で(たとえば呉汁のような料理で)食べられていたのだろう。
僕の父方の実家は茨城県日立市にある何代もの百姓家であるが、その祖母がやはり数種類の豆を毎年作付けし、様々な種類の乾燥豆を作っていたことを思い出す。青御前と呼ばれる青い大豆。ササゲやウズラ豆。また、エンドウ豆を乾豆に作っていたものである。
肉も豆も高タンパク食品だが、
肉・・・高脂肪、低カルシウム、無食物繊維
豆・・・低脂肪、高カルシウム、高食物繊維
という相反する大きな違いがある。そして前述のように、豆はご飯と食べ合わせることによって肉に勝るとも劣らないタンパク価となる。豆はまた、植物栄養素の宝庫でもある。
神の采配なのか? 豆は肥料を必要としない。アトリエの畑でも、無肥料でよく育つ。