囲炉裏暖炉の石材が入る


今日は朝から石材が搬入される予定だった。この家の心臓部である薪火暖房装置のパーツである。いつもより早く現場へ駆けつける。

が、石材屋さんはおらず、建具屋さんが和室で障子を入れる作業をしている。社長に電話してみると昼からになるとのこと。

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トイレのドアや寝室・洗面所の引き戸も来ていた。

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2階にも障子が準備。

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そうこうしているうちに石屋さん到着。

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まずは1枚目。この日のためにバルコニーの床板を先行しておいてよかった。

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煙突のセンター位置が床に落としてあるので、それに合わせて石を設置してもらう。

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二つ目のパーツ。この石は地元高松で産する「鷲ノ山石」という凝灰岩である。凝灰岩といえば栃木の大谷石が有名だが、この鷲ノ山石はずっと緻密で、神社の彫刻灯籠や狛犬なども彫られている。

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ステンレスの金具で緊結する。

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ドリル穴にこのような叩けば石に食いつくステンレス製のアンカーボルトを打つ。

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一つ目の台座に二つ目のパーツを据え付ける頃、1階の仕事を終えた建具屋さんが2階の障子を合わせに来る。というわけで、お互いの仕事が接近し、見ているこちらはハラハラする。

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三つ目のパーツ到着。

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これを積み上げるにはステンレス製のダボを2カ所に使う。接着剤をたっぷり。

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同じような仕様なのにパーツに分けているのは軽量にして運びやすくするためである。重さを60kgまでに押さえ、パーツ分けして設計してほしいと言われていたのだ。

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四つ目のパーツは、その上に取り付ける鉄製のフードのための穴掘りをする。奥で建具やのオジイさんが悠々と作業中w。

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建具というのは最初から現地でノコとカンナで調整して入れるように、大きめに作られている。どんなに正確に作られたフレームでも、微妙なブレ具合はあるわけで、それを見極めて建具屋さんが一つ一つ仕事をして納めていくわけだ。最後に敷居に滑りやすいシートのようなものを貼っていく。溝の減り止めでもあるそうで、ここに竹材を使うこともあるという。

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石のパーツができた。さて、薪火暖房装置の説明がまだでしたね。

実は暖炉なのです。

ほんとうは直火を楽しめる炎の囲炉裏をやりたいのだが、このスペースは仕事場兼用でもあり、排煙がどうしても必要。

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というわけで、この1年は暖炉をずいぶん勉強した。実際に燃えている暖炉も見に行った。で、普通の暖炉を設計したのだけど、その建築の認可が通らない。火災予防の件で市の条例に引っかかってしまった。

とりわけ1階と2階とでは2階のほうが防火規制はユルい。設置は2階なのでなんとか行けると思っていたのだ。が、石の厚みを全方向20cm以上とれという。それでは完全に重量オーバー。そして壁からも10cm以上離す必要がある、と。

実は暖炉は薪ストーブと温度構造がかなりちがっていて、設計はまったく別物なのだが、市の条例はかなり昔のものをそのまま踏襲している。だいいち、高松で新築で暖炉をやる例は非常に稀で、判断材料が少ないわけである。

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最後は図面を持って設計士と共に管轄の消防署へ談判に行ったが(データで消防所長が認めればOKという特例がある)却下された。そのときダメもとで3方開放型の囲炉裏風の暖炉の設計図を見せた。それは資料とともに一応検討しますということで受け取ってくれたのだが、後日それが、なんと通ってしまったのだ。

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ホームセンターに買い物から戻ったら、すでに建具屋さんの姿はなく、2階に美しい障子ができていた。格子割りはできるだけ正方形に近いものになるようお願いした。

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段ボールで炉縁を設計通りの大きさに切り、現場合わせしてみる。

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炉縁は新アトリエのロゴにちなんで6角形にした。ここも石材で作る。が、まだ細かな裁断をしていないというので、修正する時間はある。

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あと3cm奥行きをとったほうがよさそう。炉内の操作性もよくなるし、なにより6角形が美しく見える。問題はこれで燃えてくれるか、煙が素直に引いてくれるか・・だ(明日はここにフードと煙突をつなぐ)。

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ちなみに暖炉スペースの床は低温乾燥「愛工房」のスギ(三重県尾鷲産)30mm厚である。


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