上野原ライセンス講座11月その1/小屋と道のメンテ・稲刈り・柿収穫


昨夜は上野原の古民家に泊まった。私は屋久島の後は休ませてもらったのだが、あの後すぐに千曲川水害の支援工事が入っており、やっちゃんや事務局のKさんなどはほとんど休む暇なく長野に向かったのである。そして今日からまた上野原ライセンス講座。皆、かなり疲労がたまっているようだった。

それでもしっかり朝ごはん。味噌汁にはマコモダケを浮かべて、小さいキウイの皮ごと輪切りが美味しかった。

参加者は少なめ。とはいえ少なければ矢野さんの指導を濃密に受けられるわけで、それはそれでありがたい話である。矢野さんの話は長野の復興の話から始まった。現状の復興方法は「住宅周りの片付け、ただ持ち出すだけで作業が終わっている」「だた物が移動するだけ、それにものすごいエネルギーを使っている」。

それに比べて「大地の再生」は実用が提示できる。

・敷地内の空気通し
・既存物の整理
・地下の水脈(安定させるグランドカバー)
・持ち出さない持ち込まない

それによって生活と業をできるだけ速やかに再開できる。大地の再生視点は災害の原因である「大地の詰まり」を指摘しその解決に向け作業をするだけではない、その手法は災害現場の実用において大変役立つのだ。

作業は倉庫と資材置き場のメンテの続きから。片付いてきたとはいえ、矢野さんの視点から見ればまだ足りない部分が多数。

倉庫もワイヤーの束が雑然としていることを指摘。それぞれ班に分かれてその修正作業をする。それにしても、倉庫は見違えるようにきれいになってきた。

通称「芦垣の田んぼ」に向かう。前回かなり調子が良さそうだったイネがあまりよろしくない。実が膨らんでいない稲穂がけっこうある。矢野さんにその原因を指摘され、皆で水脈を掘り直す。

車の置き方についても注意を促す。常に空間を考えて置く。ここは田舎だからまだしも、都会なら5㎝〜10㎝の置き方の差が命取りになることもある。

鶴川の農道へ。川は澄み始め、農道は見違えるほど良くなった。

しかし、一番奥の抜けが通っておらず、点穴はグライ臭がする。すかさず矢野さんが手を入れていく。

田んぼに行ってみる。マコモダケは元気いいが・・・

イネはイノシシに入られてかなりズタズタになっていた。

それでも一番いいところだけを先に稲刈りしてあったようで、そのはざ掛けが済んでいる。ネットを外してその干されたイネに掛けていく。

事務所に戻って昼食。講座のお弁当はいつも品数多く手の込んだ作りで美味しい。もっとも私はコンビニ弁当をほとんど食べたことがないんだけど、きっとそれよりも美味しいものだと思う。

午後からイネ刈りに入る。竹ではざ掛けの準備。

倒れたイネも混じるので刈りにくい。

農家出身のメンバーもいるのだが、手刈りの経験はない人がほとんど。刈り方・まとめ方・掛け方をそれぞれ教わって・・・

終える頃にはスピードも速くなり・・・。倒れたイネは様々な動物たちの貴重な餌になることだろう。近代農法の田んぼでさえ、収穫後の田んぼ1枚には茶碗3杯ぐらいの落穂があるという。仙台平野には3つのラムサール条約湿地があり、日本に飛来するガン類の実に9割がこの地で越冬するのだが、彼らの主要な食べ物は水田の落穂や2番穂だといわれている。

夕刻になって果樹園へ移動。暗くなる前に柿(渋柿/干し柿に加工する)をもいでいく。

やはり、暗くなってしまった。ライトを点けながら矢野さんが木登りして収穫と風の剪定を行っていく。

お風呂の後、古民家で夕食。今日はマカロニ入りポトフと、ご飯と味噌汁。

夜の座学は長野の水害被災地支援のレポート。

「大地の再生は社会に実用としてアピールできる段階に入った」という矢野さんの言葉が印象的だった。


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