上階からの景色を眺めながら、PCでしばらく仕事をして昼飯に行く。矢野さんたちは2:30過ぎに京都駅着で、私も現場と打ち合わせに同行する。それまではフリー。googlのマイマップで「My京都マップ」というのを作ってあり、めぼしい飯どころはピンを打ってある。四条通りを西に戻り、泊まったホテルを過ぎて繁華街が途切れた辺りにある洋食店に行ってみた。
6人の行列待ち。15分ほどで店内へ。一目で老舗とわかるご夫婦2人でやっている小さな店。京都作家の柏井壽さんの本で知った店だ。マズイはずがない♬
最初に小さなカップスープが来る。コンソメとコーンポタージュを足して2で割ったような優しい味。
ハンバーグとカキフライの定食(1,230円)。
牡蠣は3個だが、小ぶりの牡蠣がダブルで入っていたりして申し分ない量。ハンバーグも大ぶり。オリジナルのタルタルソースとデミソース。手切りのキャベツ。
京都の良心と温かさがこみ上げてくる確かな味・・・。美味しかった! 次回はぜひビールを付けたい!
しかし、これだから京都はやめられないのだ。京都はまずくて半端な店はすぐに淘汰される。逆に、味が確かで誠実な店は、多少値段が高くても永く支持されるのである。店も厳しければ客も厳しい・・・それが京都だ。
ふとカウンターの花を見ると、造花ではなく本物の切り花だった。よく観察すると、店内のそこかしこに、それも空き瓶などを利用してさりげなく、秋の花が生けてある。京都の矜持を感じた。
再び京都駅に戻る。前に化け物ファサードと書いたが、この建築はただの化け物では決してない。京都のコンテクストをしっかり読み込んであり、機能的にも考えられている。
設計は原広司(1993年の大阪のランドマークとなった「梅田スカイビル」が有名)。この京都駅の設計コンペには問題があったと言われ、安藤忠雄を押していた哲学者の梅原猛の批判文を読んだ覚えがあるが、今では安藤ではなく原広司でよかったと思う。
ポストモダンの外観だが、ガウディを思わせるような突き抜けた自由さと大胆な造形が感じられる。ちなみに隈研吾は東大の学生時代、ゼミで原広司に学び、アフリカの集落を調査する旅に同行している。
駅の正面玄関で矢野さん一行を出迎え、タクシーで現場へ。
その後、風呂にも入らずまた深夜まで会議だった。お開きの後、矢野さんは一社の一行に拉致され遅い食事へ。私はスタッフと3人で深夜の宿探し。ブッキングコムで見つけた民泊に転がり込み、近所の居酒屋で食事。
さすがに豆腐やお麩などが美味しい。しかし、この焼き麩には自家製の青竹ピックで刺したらどんなに素敵だろうか?
そんなことを考えながら更けていった京都2日目の夜。