山林の崩壊跡を撮影したあと、鋸南まで南下してみた。ブルーシートが掛けられた屋根が多数見えるが、ここは岩地でスギ・ヒノキの人工林が少ない。しかし、広葉樹林も疲弊の跡が見える。ところどころ折れているが、それよりも全体が乾いてパサパサした感じが伺え、土の状態が良くないのが感じられる。
アクアラインで東京湾を横断し、都内に入る。懐かしさがこみ上げてくる、と同時に戦慄も・・・。ちょうど今から8年前の3月4日、雑誌『ドゥーパ!』の企画で、私がモデルになってチェーンソーによる間伐を読者とするイベントを千葉で行なっていたのだが(ブログ記事はこちら)、その帰りにアクアラインを通って海ほたるで食事した。その一週間後、東日本大震災が起きたのだ。
午後は山梨の上野原で打ち合わせ、そして明日は朝までに京都へ行かねばならない。首都高に入る前に、川崎で降りて蒲田で昼食。東京とんかつの超有名店「丸一」は実に小さなお店だった。
蒲田の商店街の路地にある。もちろん駐車場などない。コインパーキングを探し、歩いて店に向かう。到着12:40頃。もちろん並びあり。これは出た後で取った写真(13:15頃)だが、おそらく閉店時間までこの列が途切れることはないのだろう。
なにしろ、安い! ランチメニューの定食のロースが1,200円、ヒレが1,300円だ。隣で食べている人を観察すると、ランチメニューとはいえしっかりと大きさもある。しかも、ここは銘柄豚(千葉の林SPF)を使っているのだ。
L字カウンターだけの狭い店内。男性マスター1、女性3の4人体制だ。並びの段階で注文を取りに来るので、回転は早いようだ。すでに蠱惑的なすばらしい香りがする。
面白いのはトッピングメニュー(定食に追加できる)があり、隣の男性はロースの定食にヒレ1枚を追加していた。それでも1,700円。ご飯は半ライスまで無料。味噌汁とキャベツは100円。
普段は必ずロースで豚の脂味を確かめる派なのだが、これからロングドライブと打ち合わせがあるのでヒレを・・・。 味噌汁は豚汁でショウガがほんのり効いている。大ぶりのニンジンや玉ねぎが入っており、食べ応えのあるものだった。
ヒレは2塊で、斜め切りで出てきた。中心はほんのり赤い。キャベツがまた美味しい。機械切りではなく手切りだろう。味がしっかり残っている、家庭で食べているようなキャベせんの味。
ヒレとはいえ揚げ油のラードの香ばしさがたまらない。もちろん肉は柔らかく甘みとコクがある。予想をはるかに超えて、食べ終わるのが惜しいほどのすばらしさだった。
実は、数日前に高松のとんかつ屋でやはり銘柄豚の定食(サラダバー付きで1,700円だった)を食べたのだが、とんかつの小ささと油切れの悪さに驚いてしまったのだ・・・それを思えばここ「丸一」は味といい量といい値段といい、雲泥の差である。こんな奇跡のような店がまだあるんだ・・・と、食べながら目頭が熱くなった。夜は値段が上がるのだが、いつかビールを傾けながら、上ロースを堪能してみたいな。
上野原の事務所には15:00に到着。明日から始まるプレライセンス講座のレジメや資料について、矢野さん私のアイデアを話し、了承してもらった。事務所のテーブルを借りてPDFを作成し、ちょうど事務仕事に来ていたIさんが人数分のプリントとホチキス綴じを手伝ってくれて助かった。
夜は矢野さんと別行動。私は単独で京都に向かう。談合坂のSAで軽く夕食を済ませ、行けるところまで西走する。今回初めての講座形式で、内部情報交換のメッセンジャーのスレッドは様々に錯綜していた。途中のPA休憩でそれを確かめながら、米原まで。
なんとか12時前にホテルに到着。木更津〜上野原〜米原=470㎞。今日もよく走った。明日も早いが、今日の二つの感動(前半は落胆・失望だが)を反芻するようにチョイ飲みして就寝。