アジのピチット干物12日目の味


6/30のアジの干物(ピチット製)。仕込みから10日目。このような干物と、漬物と大根おろし、そして豆腐と海藻(わかめ)の味噌汁・・・これはかつての日本人が毎日のように食べていた食事形態であろう。

身が薄いせいもあるが、やや硬くなり噛みごたえが出てきた。味は濃厚である。小型ながら3枚で十分満足、充実したおかずになる。そして、揚げ物などなくとも十分満たされた感じがするのは、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれているからだろう。今の季節、瀬戸内ではタチウオやカマスやシロギスなども漁れ、安く売られている。これらもみな個性的な干物になる。

北関東の地方都市で生まれ育った私は、子供の頃から塩鮭やイワシやサンマの干物、そして身欠きニシンなど青魚をよく食べさせられていた。梅干しや漬物に至っては母が手作りを欠かしたことがなく、毎日のように食卓に上がっていた。そして納豆である(水戸ですから♬)。

学校給食では牛乳に白パンにマーガリンを毎日のように食べさせられていたが、思えば家では健康的には恵まれた食事だった。子供の頃、駄菓子屋のお菓子は食べていたけれど、水戸にマクドナルドが上陸したのが私が高校生の時だから、成長期にそれほどジャンクフードにまみれる機会はなかった。

本物の干物と漬物と味噌汁・・・今お母さん方がこれを再現するとなれば、ある程度の努力は必要だが、できないわけでは決してない。ネットで優良食材のお取り寄せは可能だし、家電はすばらしく性能が良くなった。ピチットのような新技術もある。とくにぬか漬けはお勧めである。

米というベースは少々高くても無農薬・化学肥料無使用の最上級のものを買う。それを小型精米機で精米しながら食べていき、出たぬかでぬか漬けを作る。ぬかには農薬成分が集まるので、無農薬米のぬかは貴重なのである。精米機で出たぬかで追いぬかをすれば新鮮なぬかを常に補給できる。

そしてアジのピチット干物、本日12日目、最後の3枚、ピチットだけでフードセーバーによる覆い(脱気)はしていないのだが、酸化した感じはほとんどない。

2日前に比べて、濃厚なクセのある旨味が出ている。これはまた、たまらない美味しさである。

このピチットによる干物を提唱・確立した丸元淑生は、その著書『家庭の魚料理』の中で、

ピチットで包んでフードセーバーで脱気シールしておくと何週間も保つ。脂肪が酸化しないからで、2〜3週間経つとサバの身に透明感が出て味も違ったものにになる。それはアジも同じで、アジはくさや的な味になったが、サバは味醂干し的な甘味が出てくる。

と書いている。こんなに海産物に恵まれている日本でこれをやらない手はない。そして、海を汚してしまう行きすぎた便利さは(原発も含めて)廃絶しなければならない。

↑この丸元さんの名著はなぜかすごく安い価格で中古品が出回っているときがある。おススメです♬


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