大地の再生@三春福聚寺/1.桜と植物とメンテナンス


三春の福聚寺に早朝に着く。天気は良かったが、桜の開花にはまだ早かった。

境内にベニシダレザクラは何本かあるが、山門脇の斜面に立つ樹齢450年のベニシダレ、これが最大の見所である。つぼみは膨らんではいるがまだ早かったようだ。やはり三春は寒いのである。

内庭の池周りにはカタクリや、

ミズバショウも顔を出していたが・・・

奥のベニシダレにいたってはまだ蕾の赤みも少ない。

雨落ちと石組みが半完成のままで、その状況と建物の基礎のレベルとのすり合わせについて、棟梁と意見を交わす。午後はその修正作業に入る。

本堂の前庭にはきれいな飛び石ができていた。

まだ梅が咲いている。

下草はフッキソウである。光沢のある春の若葉が白砂と青石のなかによく映えている。

北側斜面のサクラたち。

午前中、昼までに気温が上がり、サクラの蕾が開き始めたかのように見える。

山門わきの斜面の仮設道路、ここはトンパックで土留めされていてちょっとデッドスペースになった嫌なところだった。塀の下部に穴を開け、コルゲート管を配して枡につないでいる。

自然石とコンクリートガラをうまく使って飛び石と植栽を施し、ミニ庭園風に仕立てている。矢野さん自身がされたそうだ。

本堂と庫裏との間にある中庭。コンクリートの側溝を壊して軽いコルゲート管に変え、有機物と炭をたっぷり配置。雨落ちには小石、裸地にはたっぷりのチップ。そして石を配して植栽を点在させる。

植物が育つにつれ、坪庭的な様相になるだろう。

中庭から飛び石を連続させ、今まで置き去りにされていた庭にも光を当てる。

直角の目立つコンクリートの角は欠いて風がスムーズに流れる工夫を。見た目にも優しい。このような目立たぬ工夫が各所に施してある。

これまで植栽したものをチェックして修正と手入れをしていく。

水が集まる山門前で自然石でかさ上げし(赤矢印)有機アスファルトを施した道は、手前に枕木が置かれ(緑矢印)前後が舗装で覆われて、凹凸が緩和されていた。チップは撤去せず窪みに丁寧に掃いていく。

鉄パイプでできたフジ棚は、サビと汚れが目立つので塗装することに。

矢野さんの提案で塗料に土が混ぜられる。

全体にサビ色にしてしまうという魂胆。

ザラついたテクスチャーとむら塗りで仕上げていい感じ♬ コレ「有機ペイント」とでも呼ぶべきか(笑)。

矢野さんに水やりのノウハウを教わる。

道に炭とチップ。

建物わきの敷石はレベルを微調整して汚れを落とし、それぞれの間には砂とモルタルを混ぜて下地をつくり・・・

玉石と小石を配していく。

こうして細々としたメンテナンスや修正で1日が終わる。枝垂れ桜の上に三日月が出た。

宿泊は皆で「ぬる湯旅館」へ。三春の街なかの日本旅館でなかなか渋い風呂場を持っている。名称ぬる湯とはいえ実際は「激熱」であった!


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