大地の再生@仙台秀明/1-1,神仏石の移送、新たな感性の庭


明け方、車で高松駅へ。3連泊できる安い駐車場に止めてキャリーバッグを引いて駅まで歩く(安い駐車場は駅から遠いw)。4:35発のマリンライナーで岡山。そこから新幹線で新神戸。さらに地下鉄で三宮、そしてポートライナーで神戸空港へ。8:30発の飛行機で仙台着9:50。

今日は残りの植木や神仏関係の石などを移動するというので、駅から旧出張所へ歩いて行く。

ほどなく矢野さん他スタッフ到着。

今日は龍神様の石甕をはじめ、馬頭観音の石碑、石灯籠などを移送する。そしてまだ石周の低木も残っているので、それも移植する。矢野さんが手をかけているのはムラサキシキブだった。

重機で掘りにかかる。

石碑類はブルーシートで丁寧に包んで運び出す。

これが龍神様の石甕。御霊(みたま)はすでに移してあるとのことだが、中の水はこぼさず取り出してほしいとのこと。

これがなかなかの難物で、バールを挿してもびくともしない。それでも複数のバールで波状攻撃をかけ、空隙に角材を差し込んで浮かせていく。この辺のテコのコツは、山暮らし時代に石垣再生で大石を動かしたときによく似ていて、私も思わず加勢するのだった。

大石の動かし方

底がかなり高さのある、石臼様なものであることが判明した。底が抜けて動き始めたのでワイヤーで吊る。

なんとか水はこぼさずに着地。ブルーシートで覆って移送準備。

龍神様まわりの石も運び出す。石もまた庭づくりに欠かせない貴重なパーツである。

石甕はベルトや番線などで補強して慎重に積み込む。

矢野さんのトラックに乗って安養寺の現場へ。前回の取材から約1ヶ月、見違えるほど工事と植栽が進んでいた。12/15に竣工祭があり、それを締め切りに急ピッチで植栽が続けられたそうだ。

有機アスファルトの駐車場もすっかり馴染んでいる。

井戸周りも植栽整備された。

ナイスなアイデアだなと思ったのは、入り口のスギや・・・

アプローチの斜面にあるエノキの根周りに、倒木丸太を利用して枠をつくり花壇のようにまとめたこと。

エノキのほうは石を併用しているが、植栽や木杭と相まってとてもモダンに見える。

また、下玄関のちょっとした植栽も、とてもいいと思った。

背後がコンリート打ちっ放しなだけに、緑が映える。

飛び石も自然の丸石でかわいい。

しかし、この困難な現場を乗り越えて、よくぞここまで・・・。私が最初に訪れた10月、この中央広場は工事関係者の車でごった返していたのだ。とても植栽の未来図が見えてくるなんてものではなかった。

移植された個性的な木々と有機アスファルト、

枕木も、玉石も・・・

竹垣や焼き杭も、特別な素材はどこにもない。ただあるものを素直に利用しただけだ。ただし、それらはすべて水と空気の視点を最優先に熟慮して、置かれている。

今ある素材を大事に使う。どう使ったら有効かを考える・・・最後は水と空気が教えてくれる。すると自然が生き生きして生き物が喜ぶ空間になり、そこに美が生まれる。

日本庭園とも西洋的ガーデニングとも違う、新しい感性の庭。

シンボルツリーのヤマザクラは胴吹きを盛んに始めて活性化している。来春から初夏へと、この庭はどのように移ろっていくのだろうか? その意味では、庭づくりはまだ緒に就いたばかりなのだが。


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