前日から子猫の声がときどき聞こえていたが、畑を探し回ってみても見当たらない。ずっと鳴き続けていればわかるのだが、とぎれとぎれで、鳴かない時間のほうが長いのである。ところが、今日の昼頃、ついに探し当てた。水路の中の雑草の根元に隠れていたのだ
姿を見るまでは「また捨て猫かなぁ、もうバロンだけで勘弁してよ・・・」などと思っていたのだが・・・。
銀トラのメス猫であった。東京で飼っていた2代目バロンを彷彿とさせる目の覚めるような美しさ。しかしこいつは細っそりしていて、尻尾も細長い。『ローマの休日』のオードリー・ヘプバーンのよう。
下屋に入れると壁に立てかけてある木材の奥へと逃げ込んでしまい、ときおり鳴き声はするものの、なかなか見つけることができない。木材を移動してようやく捕まえて、家の中に入れてみた。
最初は逃げ惑う風だったが、寝転んで眠るふりをすると、安心したのかこくりこくり首を傾けて眠り始める。よほど疲れていたのだろう。しかし、よく無事で夜を過ごせたものだ。ここはカラスもイタチもトビもいるというのに。
餌をやるとガツガツと食べ、終わると一丁前に手で頭をかいては舐める。猫が満足したときの仕草である。
さて困った・・・2匹も飼えるか? バロンとうまくやっていけるだろうか?
などと思いながらもヘプバーンにあやかって「ドリー」と名付けて呼んでる僕がいる(笑)。
君はなぜウチにやって来たのかい?