さて午後の部、まず「通気浸透水脈」の溝に使う有機素材を皆で手分けして仕立てる。具体的には伐り出した竹の枝を払い、幹を適宜な大きさにカットして、太いものは割っていく。竹の枝は以前Kさんに教わった通り、直径3〜4cm、長さ60cm程度の竹棒で枝の付け根を叩くと簡単に取れるが、乾燥した竹はちょっと力がいるのでノコを併用することも。
屋久島もそうだったが、女性参加者が多いのも特徴的である。ふと、森林ボランティア時代に地下足袋でクワを振る女子大生に衝撃を受けたことを懐かしく思い出した。が、ここでは30〜40代の母親世代が目立つ。中には子連れや、乳飲み子を背負って作業している女性までいて(屋久島でも!)驚かされるのである。
Gomyo倶楽部に来てくれたKさんとも再会する。小型チェーンソーで鮮やかな竹切りを見せてくれた。
矢野さんは重機を操りながら道を切り拓き、その足場となる杭を打つ。
番線はやや細めのもの。
杭に横木を渡して・・・
番線はダブルで使い、シノで締める。
踏み込む前に横木の上部に有機物や石などを当てがっていく。
草と石を押し込んで・・・
下からも土を寄せて締め固める。これを油圧ブレーカー(鑿岩機)でやるのはまず初めて見た(笑)。
こうして難所ごとに杭打ちを続けながら、道を切り拓き、登っていく。道を開削することが、すでに空気と水の出口を作っているようなものだが、なにしろ下で抜けが滞っているので土は水を含んでぬかるんでいる。普通、雨の日は滑りやすくぬかるみを酷くするので、一般の土木工事では重機は動かさないのが原則だが、矢野さんたちはちがう。
コンクリート擁壁の下部を掘る。
たちまち割れ目から水が流れ出てくる。
後続の作業として、矢野さんが掘った溝をスコップで掘り上げて深めのU型の溝を作り、ところどころに「点穴」と呼ばれる深く大きめの丸穴を作っていく。
溝を決めたらいよいよ透水パイプを配管していくのであるが、
その前に竹炭(窯で焼いたものではなく野焼きした熾炭)、
点穴には放射状に竹を刺す。
コルゲートパイプは直径100㎜と80㎜を使い分ける。
細部。窪み部にスリットがある。
これを止める部品は5寸釘ではなく、なんと鉄筋コンクリート用のセパレーターだ。この片側に六角の板ナットをつけて抜け止めとする。
板ナットを付ける作業を手伝う女性たち。赤ちゃんを背負ってます。
足で管を踏んでハンマーで打ち込む
それも直線にせず、わざとくねらせながら止めていくのである。
点穴のところはちょっと下げ気味にして通過。
管を打ち終えたら割り竹を置いていく。雨が降ってきた。
点穴には短く切ったコルゲート管を立て挿しし、番線で止めていく。
さらに葉っぱなどで覆う。
矢野さんは一段上で道を作っている。
ぬかるんで、キャタピラのわだちができてしまう。そこには竹の枝、木の枝葉などを置いてぬかるみ避け(泥漉し)とする。
長いものはチェーンソーで切る。片手で使えるチェーソーがノコギリ感覚で使われている。
戻って母屋にて自己紹介と感想会。
町に降りて大浴場に入りに行き、ビールを買って帰還。夕食のお弁当は地元の方の手作りで、山菜たっぷりのすばらしいものだった。
その後、懇親会に突入する。しかし、睡眠不足で眠い。今夜はこの大広間で寝袋にて雑魚寝となる。横になったとたん眠りに落ちた。