男木島の石垣ワークショップ、いよいよ後編へ。数日前から雨もなく、今日は朝から快晴。石垣を積むにはベストのコンディション。フェリーは高松発8時。男木島には8:40に着く。

ネコが出迎えてくれる。


石垣のある坂道からの風景は、男木島ならではのもので、これだけで癒される。

ベースとなる「ドリマの上」で靴を履き替えて現場へ。

9:00、作業開始。

東京工業大学の先生や学生さんたちが特別参加してくれた。また、新聞の取材も入った。

まずは崩壊した石垣の石と土を寄り分けて整理する作業。積みに入る前段階の整理が非常に重要なのである。両サイドに土、大石、小石を振り分けて置いておく。


別チームには瓦を割ってもらう。これは裏込め石の代わりに使う。

裏込め石の入るスペースまで土を掘っておかねばならない。前編の講義でも強調した通り、再生する石垣積みではこの初期の土と石の移動が大変なのであり、これが全作業の半分以上の労力を占める。

また、既存の石垣との擦り合わせ部分は若干膨らんでいるので、その石も取り除かねばならない。どこまで石を取るか、残すか、という見極めも必要になる。

崩れた後の処置としてコンクリートを塗ってあるので、その石はタガネとハンマーで外した。

この石垣の上は畑になっている。島でいちばん集落よりの条件のいい一等地であるが今は何も作られておらず、野に還ろうとしている。その畑から見た海の風景。

石と土の整理で午前中が終わるだろうと思っていたが、皆の頑張りで案外早く片付き、積みの準備ができた。最も深い、最下部の積み石を入れてみる。下の畑に放置されていた大石が、このスペースにピタリと納まった。これが男木島の石垣再生第一歩の記念すべき「要石」(かなめいし)となった。

その上に大きめの石を数個積み、裏から「かい石」をハンマーで打ち込む。3点でカチッと石が納まること、ツラよりも控えを長くとること、積んだ石の上面が奥に傾斜していること。その条件すべて満たしていたら、をかい石によってさらに補強を強める。これが重要である。

瓦の裏込めを入れて午前中は終了。石垣を積む前段階で土が大量に出る。そして裏込め石がたっぷり必要になる。その2つに、参加者は驚いた様子だった。

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