Gomyo倶楽部の観察会を終えて志度のベリーズライフカフェに向かった。冬の間、アプローチの庭は花がなくて寂しかったが、今は彩りが豊かだ。窓際に席をとって外を眺めながらアイスコーヒーを飲む。
今日はオーナーシェフのMさんに畑を案内してもらった。
ベリーズライフでは自家栽培の無農薬野菜をお店で出しているのだ。さすがに規模がちがう。
レタス類が終わって豆類の収穫まっさかり。そしてトマトの植え付け時期だ。Mさんは種と品種にもこだわっており、海外からF1種ではないエアルーム(固定種)を取り寄せて栽培したりもしている。
これはGolden Sweetという黄色のキヌサヤ品種。種はこんなページで買うらしい。
次いでブルーベリーなどベリー類を栽培している場所に案内してもらう。
ジュラルミンのフレームとガラスでできた立派な温室が全部で8棟あり、その中でブルーベリーが200種以上、他にブラックベリーやクランベリー、ラズベリーなどを栽培されている。
実はもちろんカフェのスウィーツなどで供されるわけだが、苗の販売もしている。ベリー類は挿し木で簡単に増やせるからだ。
こんな太いブルーベリーの木もある。
とにかくすばらしい温室なのだ。サイドとトップに空気の抜けがあるので風が流れて暑くない。
各々の花が咲き始め、もうすぐ結実してベリーの季節がくる。
ベリーズライフで最も美味しい「旬のブルーベリー」スウィーツを食べたいなら、6月中下旬が狙い目だそうだ。
ハウスの脇でセイヨウミツバチが飼われている。
採蜜だけでなくベリー類の受粉にも活躍する。開放系の温室なので箱を移動させることなく勝手に受粉してくれるそうだ。あまり知られていないが、ハウス栽培のイチゴやメロンにはハチによる受粉が欠かせない。また、カリフォルニアのアーモンド畑でもミツバチたちが重労働させられている。
昨今、各地でミツバチが激減している。ダニ類によるものだという説もあるが、ニオニコチノイド農薬が脅威を与えているのは世界中で共通した認識である。そして農薬でハチたちの免疫力が落ちれば、当然ダニにもやられやすくなる。
野菜のF1種は化学肥料と農薬使用を前提としており、日本ではJAがそれを後押ししているという現状がある。種苗会社、肥料会社、農薬会社が三つ巴になり、肥料栽培、農薬栽培のマニュアル通り作れば出荷しやすいF1種を農家に強要しているのだ。そのためにネオニコチノイド農薬が多投され、農業の受粉に欠かせないミツバチを殺している。なんという倒錯だろうか!
それが美味しい野菜ならまだしも、風味のとぼしい、コクのない、柔らかくて甘みだけがあるような野菜なのであり、私たち消費者もそれを当たり前のよう受け入れて食べている。
だが、無農薬無肥料で自家栽培してる人たちは知っている。Mさんたちは「それは違う、野菜本来の味はこれです」と自分たちの農と食を通じて表現しているわけである。ベリーズライフの野菜たちを、目をつむって心の耳を澄ませて、ぜひ味わってもらいたい。
帰宅して昨夜つくったしめさばの昆布じめを取り出す。
むほほ。
うひゃひゃ、ネギは自家畑から。
いい感じでアブラが乗ったサバだった。瀬戸内海でサバが釣れるのか・・・そしてしめさばが作れるなんて・・・。
メバルは煮こごりができていた。もういちど蒸してから食べた。しかし、ネオニコの多投、化学肥料の多投は川に流れ、水系を汚染し、やがて海にも到達するだろう。いったい人間はどこまでバカなことを続けていくのか。
ちょっと肌寒かったので、ビールのグラスを片手に外で火を焚いた。ちびカマで堆肥化できない野菜類の堅い茎のところや、残骸の木ゴミなどを燃やすのである。燃え尽きた灰はまた畑に還元される。こうして循環していることに喜びを感じられるのは、地球上のほんのわずかな人たちだけなのだろうか? 私はちがうと思っている、知らないだけなのだ。
しかしお前はからんでくるよなぁ(笑)。
なんだか今日は炎を見たくなった。部屋に戻って囲炉裏暖炉に火を灯す。
これまで多くのソングライターが「この世界を変えてみたい」と歌っている。この時代に・・・。