骨太民家に匹敵する強さを


今日はちょと変わった角度から2階のフロアーを撮影してみる。

手前の黒は階段手すり(アイアン製)。対角線に台所がある。キッチンコーナーはスギ板が方向を変えて張ってあり、天井は低くして小屋裏収納をとってある。ただし台所の上だけは勾配天井のままにして、梁が見えている。

この梁がデザイン的に非常によく効いていて、空間の格調を上げてくれた。金具が見えるのは嫌なので羽子板ボルトではなく引き込みにしてある。だから金具が見えているのは火打梁だけ。

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システムキッチンはLIXILの「シエラ」で3口のガスコンロをビルトイン。最近のものは観音開きではなくスライドストッカーになっている。この収納能力と使いよさは抜群で、中に食器や乾物、調味料のビンなどがかなり大量に入っている。どかんとドアを押してもゆっくり閉じてくれる「ソフトモーションレール」(オプション)がまた便利。

最初はここを天板だけにして、下は自分でつくろうか、などと考えていたが、そうしなくてよかった。

逆にアイランドの方は、ブロック積みで天板は中古のパーティクルボード再利用。つまりほとんど原価タダでDIYしたものだ。下にはゴミ箱とかストック用の箱が入っていて、いい収納スペースになっている。

最初はアイランドの上に水屋をつくる計画だったが、いまのところ収納はこれらで間に合っている。というわけでよく使う台所のわりにあっさりした空間だが、一度これを味わってしまうと以前のごちゃごちゃした台所にはもう戻れない(笑)。なにしろ掃除しやすいし、ゴキちゃんの居場所がない。

キッチン側の低い天井はクロス張り。「天井の漆喰塗りは手間がかかるからやめたほうが・・・」という工務店のアドバイスあり。確かに、家の2階は壁だけでも相当な面積の漆喰塗りがあった。で、ここは回り縁をつけていないんですな。つまり、天井のクロスと壁の漆喰塗りが突きつけになっている。こうすることで小窓の光の美しさが損なわれない。

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小屋裏の開口部にも布を垂らしたいのだが、ここは藍染めの色抜けした古布にしたい(まだいい布がみつからない)。それにしても、スギの大梁とヒノキの丸太柱がいいでしょ♫

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大壁にして漆喰塗りにすると、壁に柱の軸線がないだけに、勾配天井から突き出た梁や、それに続く丸太柱が強烈な存在感を放つ。そして窓の光が美しい(朝と夕刻は特に!)。

構造材とフローリングは節あり(中~大径材を使えばそうならざるをえない)、窓枠や笠木、回り縁、幅木は無節(上小節)。そして壁は漆喰(白地)。

小規模住宅の場合、これがスギの良さを最高に発揮できる空間のつくり方ではないだろうか。デザイン的にも、骨太民家に匹敵する強さを出すことができる。

プリーツブラインド。けっこうお高い買いものだったが、美しくて使いやすい。枠なしでも付けられるというので3方塗り込めにした(このほうが絶対キレイ!)。窓枠と回り縁は使い方次第で部屋の雰囲気をがらりと変えてしまうのでコワいですよぉ~w。

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日本の木造住宅建築はいまだ混乱まっただ中で、スギとヒノキの使い方、空間のつくり込みがうまくいっていないのではなかろうか。国産材振興だといってもただ使えばいいってもんじゃない。

たとえばこの部屋、真壁にしたり壁に板を張ったりしたら台無しになってしまう。バランス感覚大事だよね。


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