発芽したキュウリが大きくなったので畑に移植した。水まきやレタスやニンジンの芽の間引きをする。敷地のスギ山に入り、落ちている枝を拾う。いまの日本のスギ山の「ゴミ」の量はハンパじゃない。燃料源となる木質素材がこれほど山に大量に転がっているのは、おそらくヒトの数千年の歴史上初めてのことではないだろうか。とにかくどこのスギ山に行っても、散乱し、堆積するスギの葉とスギの枝・枝・枝・・・。
密集した間伐遅れの山は、光が当たらないために木の下のほうから枝葉が枯れてくる。その枯れ枝は、スギの場合は自然落下しやすいのである。戦後の拡大造林から数十年、伐期を迎えても放置された山ばかり(スギ材の値段が史上最安値だからである)。わずか数平米の区間でかかえきれないほどの一束をゲット。それを薪と焚き付けと野菜用の支柱に仕立てる。
せっかくスギ枝という自然素材を使うんだ。支柱を結束するのにビニールヒモの白さじゃ情けないよナ。というわけで伐採後ストックしておいたシュロの皮をほぐし、相方の指導を受けつつシュロ縄を編んでみた。シュロ縄は水に強く、かつては重宝されたのである。ここ群馬はシュロの北限に近い。
ところで、調理に使うには、スギは幹本体よりも枯れ枝のほうがいい薪になる。この辺りのスギは元畑に植えられたものが多く、初期成長が早くて全体に年輪が粗い。枝のほうが組織が締まっているから火持ちが良いのだ。
間伐が進んだスギ林は、清々しく気持ちのいい場所である。今日は雷雨が2回あった。晴れ間に鮮やかなオレンジ系の茶色を閃かせるヒョウモンチョウの仲間が飛び出してきた。アサギマダラも見る。毎朝、ホトトギスの鳴き声が聞かれるようになってきた。初夏がすぐそこまでやってきたのである。