Y先生の新聞記事


朝。材料をみていきあたりばったりのいつも料理。しかしY嬢に「焚き火でもこんな料理が作れる」ことを見せてやりたかったこともある。山椒の実、銀杏も入っている。銀杏は殻を割らずに金網蓋敷きの「ゴマ煎り器」で熾火で煎ると非常に旨い。銀杏の最も美味しい焼き方(食べ方)であると思う。焼いた後、その中身を取り出し(薄皮も簡単にとれる)、中華鍋に投入。たっぷりの赤トウガラシ入りで朝からからけっこう重い「マーボ丼」を完食。

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Y先生の記事が『朝日新聞』に載ったというのでコンビニに買いにいき、その足で桐生へ。蔵を改装したイベントホールで(財)日本ナショナルトラスト・事務局長の講演を聴く。その後、本町の古い町並みを歩き、芭蕉でお茶。

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しかし、日曜の3時。桐生は活気がない。商店街はシャッターが降り、外部からの観光客はほとんどいないように見える。しかし、街を走る車の数はやたらと多い。みな、車でどこかに行ってしまうのか。その原因は、街と界隈と家そのものに魅力の無いことから始まる、一種の逃避行為のようにも思える。

こぎれいな車での脱出。ぴかぴかで広々とした郊外店での束の間の慰安。芭蕉の内装のチョウナ跡のスギ材が美しい。桐生の古い金物屋で割くさびとチョウナを探してみたが、さすがに置いていないのだった。チョウナは金属部分は今も打てるが柄を作る職人がいないとのことだった。

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Y先生の記事はなかなかよかった。先生の地を這うような教育方針はおのずと近代教育批判となる。閉鎖的な山村ではその文学活動へのやっかみも生まれたことは想像にかたくない。しかしこの大きな記事は、先生の生涯の中で一滴の美しい雫のように光輝いている。

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