木工の一日。仕事を中途にしていたベンチの足をつくる。二つの板を半丸太でビスで接合し、そこに丸ノミで穴を開け、小丸太の足を4本つける。外に開き加減に彫り、木槌で叩き込み、地上高を測ってノコで足の長さを切り揃える。外に開き加減にすると安定するし、見た感じも落ち着く。穴の開け方が難しいけど。
今日も暑い。しかし、ちびカマ君のくすぶる薪をみているうちに、「夏は囲炉裏がいい!」という直感が降りてくる。中で火を焚くことで家が乾くし、虫の害をおさえることができる。煙くて汚れて面倒くさいことから囲炉裏が廃れてしまったのか? 本当にそうか? かつての山村では囲炉裏はなくてはならないもので、料理もここから生まれたもだった。自分で囲炉裏を使って確かめてみたい。
相方も「囲炉裏、早くやりたいな」といつも言っている。玄関の土間の正面がかつての囲炉裏部屋だった。そこはコンパネで塞がれ、いま臨時の荷物置き場になっているのだが、Y先生の快気祝いを囲炉裏部屋でできたら、と思った。
その前に部屋の手前の上がりかまちの合板を張り替えねばならない。木目調の合板がぼろぼろで、板や段ボールを敷いてしのいでいたのだった。フローリング用の板を買ってきて、寸法に切って釘打ちすれば簡単なのだが、山に住んでいながら、街のホームセンターから板を買ってくるというのはどうにも面白くない(当然、外材がいちばん安いんだな)。
しかし、チェーンソーで板をとるのは歩留まりが悪くて釈然としない。ふと見ればやや長めのスギ薪がちょうどぴったりの寸法で、うまく割れば板状のものが採れ、表面をナタで削ればある程度の平面がつくれる。さっそくその方法で板をつくってみる。しかしまあなんというローテクな方法か。ナタ目の入ったスギ板は彫刻的な美しい表情をみせる。「囲炉裏を炊きたい」というただその思いが手をどんどん進ませる。
夜、うれしいお客さんあり。クワガタムシ初めての来訪。
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