尾瀬へ


アトリエ寺子屋の翌日は、尾瀬に向かった。早起きして前日の残りのステーキを焼き、野菜とともに巻き寿司にして食べて、コペンに乗り込んでGo! 尾瀬は今年のミズバショウの季節に行く予定だったんだがズレてしまった。しかしこの僕にして、尾瀬行きは初めてのことだ。まずは片品村観光案内場で地図を貰い情報を得つつ「あの、この辺でラーメン食べれるとこあります?」なんて案内のお姉さんに聞いてしまう僕。ところが教えてもらった「鎌田食堂」、手打ちラーメンでなかなかの味(500円)。

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さて湿原への最短距離、鳩待峠の駐車場に着いたのは午後3時過ぎ。尾瀬は遠い。しかも駐車料金が2日分ってことで3500円も取られるナリ。コペンとしばしの別れ。峠の休憩所に「花豆ジェラート」なるものを見つけてさっそく試食。これがなかなかウマイ(400円)。

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ここからゆるやかな下りで湿原の入り口へと降りる道は、すばらしい原生林だった。クロベ(ネズコ)、ブナ、ミズナラの巨木が林立する。天然のカラマツ巨樹もある。樹高は低く、胸高直径は驚くほど太い。樹間まばらで林内は明るく、ササだけでなく様々な広葉樹もみられ、中層木もしっかり育っている。岩にはシダや苔類がついている。表土が露出している場所は沢の水際だけ。パワフルで深い癒しがある。これが本当の森の姿だ。

のんびり1時間ほどで宿に到着。国民宿舎で1泊2食8500円。部屋は個室で山小屋にしてはこぎれいだが、ホールに薪ストーブやランプがあるわけではなく殺風景。食事はまるで病院食のように、寒気がするくらい不味い(笑)。翌朝、オニギリ2個に漬け物の小袋付きで700円という宿のお弁当を持って出発(腹がすけば何でもオイシイ)。

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最初、曇り空だった。どこまでも伸びる木道を歩きながら、本州一という高層湿原の広さを楽しんだが、途中で雨が降り出す。それでも「滝を見たい」という相方の希望を受けて「三条の滝」まで頑張る。相方は本格的な山登りは四国の石鎚山以来だが、雨で身体が冷えるのが心配なのだった。僕の雨具は ゴアテックスだが、もうそうとう古くて縫い目から雨が侵入してくるし、相方のはゴム引きの蒸れるタイプ。

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でも頑張った甲斐があった。雨で水かさが増してしたこともあり、三条の滝のスケールは圧巻だった。歩く労をいとわなければ、日本にもまだこんなところがあるんだね。さて、ここからが長い。来た道をもう一度たどって、たくさんの山小屋が集まる場所を過ぎてまた湿原を縦断する。湿原は貧栄養で樹木は少ない。が、沢が横断している場所だけ樹木の帯がみられる。沢が砂や養分を運び堆積させるから木が生える条件ができあがるのだ。朝には蕾みだったヒツジグサの花が、池の中で星のように花を開いている。ヤチヤナギがハーブのようないい匂いを放っている。

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朝7時前に宿を出て、鳩待峠に到着したのは午後4時近く。地図上の距離を計測すると、一日で20km以上歩いた計算になる。帰りは南郷村のしゃくなげの湯で汗を流し、赤城の山麓を夕日を見ながらドライブしながら帰る。と、アトリエに戻る林道では土砂降りの雨。アスファルトの上を、間伐遅れの人工林から流れ出る土砂を含んだ水が道を何本も横断しているのだった。その水を蹴散らしてコペンのエンジンが唸りつつ、無事帰還。

尾瀬の価値は湿原だけではなく周囲の手つかずの原生林にもあると思った。次回は花の季節に。そして高山にも登って森林限界とその上部のお花畑のすばらしさを、今回の旅に感動しまくりの相方にもぜひ味わせてあげたいゼ。

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