最強のヤキソバ


地区の共同清掃に参加。国道の草刈りとゴミ拾いを朝から2時間ばかりやる。まわりはお年寄りばかりだが、作業の合間にいろいろ聞いたりして取材。

アトリエに戻って朝食兼昼食は焼きそば。富士宮の焼きそばを思い出し、ちょうど豚肩ロース塊があったのでその脂身部分を細かく切り、中華鍋に投入。ヘラで押しつけながらラードを滲み出させる。これはチャーハンなんかでも有効なテクだが、ラードが出きった後に焦茶色の脂片が残る。これを「肉カス」といい、富士宮では焼きそばの味わいに使っているのである。


さて中華鍋にはにじみ出たラードの中に肉カスが泳いで煙が上がっている。そこに畑直行のネギの細切りを大量投入するのだ。このネギ、粗放農業につき、青いところが多いが、なにせ採りたてというのは強い。青いところに中にはとろとろの透明な液がつまった瑞々しいものだ。それがラードにまみれてしんなりかさが減ったところでイカゲソとイカミミを投入。さらに麺を入れ、よーく炒める。火は強火のまま。ったってスギ薪の細いのをちびカマに放り込んでおけばいい。

醤油とソースで味付け。コショウをミルでごりごり。ソースを入れたら炒めすぎないのがポイント。皿にとり紅ショウガと鰹節の粉をかける(富士宮ではイワシ節の粉をかけ、さらに野趣が増す)。

この紅ショウガ。実は前日、高崎に焼酎を買いにいったときそこで一緒に業務用1kg400円というのを見つけて触手が伸びたのだが、表示を見ると当然ながら合成着色料に添加物だらけだ。しかも原産国表示は「タイ」。ショウガごときが海を渡ってはるばるここ群馬まで来てさらにコペンで山のアトリエまで運ばれて・・・と考えたら悲しくなってきた。「ダメダメ、神流アトリエでこんなの使ったらハズカシいよ」と相方の前で首をぷるぷる振る僕であった。

アトリエの庭に勝手に生えてきた赤シソを、草刈りの度に大切に保護してきた甲斐があったというものだ。その葉っぱを何枚か採取し、塩でもんでアクを出す。それを、お酢の塩を混ぜたものの中に放つと、あら不思議、鮮やかな赤色がぱあっと出るのであった。そこに収穫したての新ショウガのスライスを漬けて、即席紅ショウガのでっきあがいりぃ。ちなみに鰹節は、本枯れ節の削りたてを手で揉み、粉にしたものだ。

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この焼きそば、とりあえず「群馬最強のヤキソバ」と命名しておこう。しかし、ヤキソバごときで、こんなに熱く語るオレっていったい・・・。


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