囲炉裏と茶の湯


図書館へ。僕らは藤岡の市立図書館と前橋の県立図書館のカードを持っていて、ここでそれぞれ5冊づつ本を借りている。もっぱら山暮らし再生に関係するものを借りるのだが、茶道の本なんかも借りてみた。

囲炉裏をやっていると、立ち居ふるまいが洗練された動作になってくる。それは火や湯という裸形の危険なものを目の前に常に置きながら、座ったままで様々な作業をこなしていくからで、当然のことながら、ものの置き場、移動の仕方、そして燃える薪の配置などに気を配るようになってくる。

あるとき、僕はこの自分の動作の中に「茶の湯」の原型があるような気がしたのである。現在の茶道は形骸化した「形」重視のものになっているように思うけれども、本来は「火」と「水」と「木」という人間が生きる上での最も基本となるものへの畏敬と感謝を込めたアートではないか、と感じた。ずっと前に岩波文庫で読んだ岡倉天心の『茶の本』、もう一度読み返してみようと思う。


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