敷地を歩いて枯れ枝を集めに行く。梅の木の折れ枝があったので、それも採取。ロープで巻いて小脇にかかえて母屋へ運ぶ。そこでノコを使って30~50cmほどに折っていく。これが囲炉裏に使いやすいサイズなのだ。落下した折れ枝は常にある。枯れているので薪置き場で乾かさずともすぐ使えるのがよい。
成熟した林では枯れ枝は恒常的に落ちる。成長の過程で下枝が枯れていくからである。これをこの地方ではボヤと呼び、昔は子どもたちが背負子に積んで持ち帰るのが日課だった。二宮金次郎の像を思い出すといい。
いよいよコンニャク製造にチャレンジ。皮を剥いて茹でて、それをおろし金で擂り、灰汁と水で合わせて揉む。ゴム手袋が必用だ。ところが水が多過ぎたのかきれいに固まらない。あわてて買い置きしておいた「炭酸ソーダ」を入れてみるが時すでに遅し。1回目は失敗してしまった。
しかし梅の枯れ枝で囲炉裏でコンニャクを茹でるってなんだか幸福な気分である。収穫したマメの殻やクルミの食べ殻を燃やすのもいい気分だ。
「そんなことを幸福に思えるひとがどれだけいるんだろう・・・」
子どもたちが森からどんどん遠ざけられていく。収穫の喜びも、火に対峙するときめきと畏れも、それでものを料理し、震えるほどの美味しさに出会う感動も・・・。