引っ越しのとき群馬から持ってきた食料箱(茶箱)を整理しているとささげ豆が出て来た。一晩水で戻して戻し汁を味見してみるとそれほどえぐ味もないので圧力鍋で煮てみることに。
蒸気が吹くまで中強火。引き出したら弱火で20分。弱火といっても蒸気が漏れる音がする程度の火力は必要。火を止めて自然に蒸気が抜けるまで冷ます。
思ったより柔らかく美味しいので、ひさしぶりに豆のサラダを作ってみる。
まだ湯気の出るうちに豆に米酢をかけて和える。タマネギとパセリのみじん切りを入れてさらに混ぜ、オリーブオイルをかけて混ぜてできあがり。塩や他のスパイスは一切いらない。豆に力があるときこのサラダは非常に美味しい。
その証拠に、僕もyuiさんもするすると手が伸びて、夕刻までにおやつ代わりに全部平らげてしまったw。ほんとはこれ、常備食として冷蔵庫で保存しながら食べ続けるものなんだけどね。
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豆のサラダは丸元淑生の料理本で知ったのだが、ヨーロッパを旅すると町のお惣菜屋でごく普通に売っていて、肉食というイメージの強い彼の地でも豆が日常に食べられていることに気付く。
日本だとこの手の豆は甘く煮たものしか思い浮かばないが、砂糖を使わず美味しく食べれるサラダはすごく便利で健康的な料理だ。
コツはいろいろあるが、豆の栄養素を逃がさず豆本来の良さを引き出すのがポイント。
1)よい豆を選ぶ
2)水はカルキを抜いたもの(私は水道水を細かい備長炭のかけらに浸けて冷蔵したものを使っている)
3)戻した水で煮る
4)最小の水で煮る(煮上がったときに煮汁がなくなるか少し残っている程度)
5)熱いうちに米酢をかける
このサラダは生玉ネギと大量のパセリが美味しくいただける料理でもある。以前書いたアオアジの冷や汁が大量に生の青じそを食べれると同じように、これだけ大量のパセリが美味しく食べれる料理を他に知らない。
畑でパセリを作っているのに使い道に困っている人はぜひやってみてください。
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追記:ささげ豆は大正金時豆に似ているが、金時が北海道のような寒冷地で作られるのに対してささげは関東以南で栽培される。金時はいんげん豆の仲間だが、ささげはアフリカ原産のササゲ属。いずれも小豆色で、大きさを比べると金時豆>ささげ>あずき、となる。関東ではお赤飯のときこのささげがよく使われる。私は子供の頃、この赤飯の中の豆が大嫌いで、よく残しては怒られたものだ。今思えばあれは色出しのために加熱が過ぎて、味の抜け殻になっていたんだな。食感もパサパサでね。