カメノテで山尾三省を追憶しているうちに気になり『ここで暮らす楽しみ』を拾い読みしていた。そこにシソの葉と「冷や汁」の料理のことが出ていてそれが美味しそうだった。
実は先日アオアジが安くてまた買ったのだが、やはりマアジほどのあぶらがなく刺身にしてもさっぱり美味くない。2匹をたたきにしてなんとなく義務感のように食べ、残り1匹はさばいてそのままチルドルームへ入れておいたのだった。
三省は「冷や汁」をシソの葉を食べるというリードから書き出している。干物を焼いて「冷や汁」をつくっていた。シソなら畑にもあり、昨日摘んでおいた何枚かがキッチンのすぐ上にあった。冷蔵庫の中には炊いた玄米の残りがラップをかけて冷えていた。
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さっそくやってみることにした。
塩もせずただグリルで焼いたアオアジの身をほぐし、あらかじめゴマをすっておいたすり鉢の中に味噌とともに入れ、よくする。実は、味見するとこれだけでもかなり美味い。先日「サンガ」をつくったけれども(こちら)、アオアジは断然こちらのほうが美味い(合っている)とおもう。
それを平らになすりつけてすり鉢のまま火であぶる。
もう火は通っているのだから香ばしくなればよい。
玄米と刻んだ青じそを用意する。
すり鉢からすり身をよそい、青じそをたっぷりかけ、そこに冷えた水(備長炭でカルキを抜いてある)を入れる。
本当はだし汁の冷えたのを入れ、さらに氷を入れて冷やすのだそうだが、ご飯がよく冷えているのでいいだろう。
で、これがやはりとても美味いのだ! 魚臭さがみじんもなく、旨味がすばらしく、さらに青じそが実に合う。大量に生の青じそが食える料理なのである。
もともと宮崎の郷土料理で名前やだいたいの調理法は知っていたが、実際初めて食べてみて、その美味さを実感したのだった。私も四国暮らし5年目に入る、たぶんに南方系になってきているのだろう(笑)。