アトリエでの野外作業のときは、おもに長靴。長時間のとき、また天気のいいときの農作業のときは地下足袋。そして、ちょっとぶらぶらするとき、土間や台所を行き来するとき、外や2階デッキでの読書や仕事中は下駄。だから、実は下駄を履いている時間がかなり長い。
この下駄というやつがイイ。以前から好きな履物だったが、アトリエに来てからというもの僕もYKも下駄ばっかり。履いているのは値段の安い桐下駄である。花尾が切れたら自分で直して、木が割れるまで履いている。
これに慣れてしまうと、つっかけやサンダルは頼りなくてダメ。親指の付け根で重心と踏ん張り・滑り止めのバランスをとる感覚がとても自然でいいのだ。むかし大工の棟梁は白足袋に雪駄履き、と聞いたことがある。
どちらにしても、下には軍足を履くことが多いが、この軍足というやつ、すぐに穴が空く。囲炉裏で針仕事・・・という光景はいまや「天然記念物」「無形文化財」かと思うが、アトリエではこれが頻繁に見られる。短大の家政科(これも今や死語か?)で和裁を学んだというYKは嬉々としてこれをこなしているのだった。
で、軍足よりも足袋のほうが長もちするのではないか? ということになり、いまモダンデザインの足袋を製作中なのでした。