林道取材1.(足助山梨~静岡、石垣さん宅のログ)


四国高知、四万十町の田辺林道をいま『現代農業』誌上に連載している。その取材に出かけることになった。

深夜からコペンを快調に飛ばして秩父から甲府へ抜ける。朝、桃の木温泉で入浴。偶然選んだここは、なんと「秘湯を守る会」の宿だった。湯質は群馬の霧積温泉そっくりでなかなか良い。夜叉神(やしゃじん)峠で白銀の南ア連峰をYKに見せようと思ったが林道のゲートが閉まっていた。

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富士宮焼きそばの話しは以前にも熱く語ったが、静岡のおでんがいま全国ブームだとかでちょっと取材。なにげに街角の小さな店に「おでん」のノレンが下がっており、中に入ると超レトロなイスとテーブルがあって、おばあちゃんがおでんを煮ている。汁はかなり黒く、魚節粉と青のりなどをかけて食べる。安くて旨い。

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江戸最後の将軍、徳川慶喜が大政奉還を果たした後、隠居していたのが静岡市。その邸宅と庭園はいま市内の中でオアシスのような存在になっている。そこのカフェで緑茶を飲んだり庭園の散歩を楽しんだりした。

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「登呂遺跡」をまわる。竪穴式住居の内部は意外にも暗さを感じない。これはかなり快適なものだったのではないだろうか。農具にしてもスギが徹底して使われているのが印象的だ。まだ鉄器が不十分だった頃、堅木のクサビでスギを割り、石のチョウナではつって板を作っていたのである。

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近隣の芹沢けい介美術館もすばらしかった。美術館の設計は白井晟一。彼の建築を実物で見るのは初めてだが、この建物に全身全霊を傾けた氏の気持ちが伝わってくる。

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山梨でお土産に仕入れた馬刺を手に、清水の石垣さん宅へ。石垣さんの本業はお茶の栽培だが、森林施業や林道づくりのプロでもあり、NPOを立ち上げ市民を巻き込んだ森林再生活動にも力を入れている。最近『伐木・造材のチェーンソーワーク』(全林協)という本を出されたばかり。そのお祝いを兼ね、林道ネタもちょっと聞き出そうという魂胆。ログハウスの別宅へ泊まらせてもらう。

この辺はフォッサマグナの地質で岩が多く林道づくりも特殊なテクニックが要るらしい。石垣さんはかなり大型の重機を使っており、岩の破砕に発破を使うこともあるという。また、支障木の伐木にNPOのメンバーを使ってテクを磨かせているのだが、たまに伐倒方向をまちがって石垣さんの運転する重機めがけて木が倒れてくるときもある。声でその気配を察し、やおら重機を回転させ、バケットで真剣白羽取りすることもあるという抱腹絶倒話しを聞きつつ夜は更ける。

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