坂巻温泉


『裏古事記』『明らかにされた神武以前』の著者、山本建造氏は飛騨にお住まいの哲学者・著述家で、財団法人飛騨福来心理学研究所を運営されている。飛騨高天原起源説ともいうべきこれらの書籍は、一般の書店では入手できないのだが、一昨年の旅の途上、高山の上一之町にあるギャラリー・カフェ「遊朴館」で現物を見ることができ、購入した。

今回の旅でまた「遊朴館」に立ち寄り『破られた二千年の魔法』山本建造監修/山本貴美子著を購入した。お祭り二日目には、なんとカフェのウインドウの前に与鹿彫刻のある麒麟台が停まっている。

高山祭りに行く直前に、もういちど前記の2冊を読んでいるうちに、いままでジグソーパズルのパーツのように居心地の悪かった紀記神話の様々な説話が、不思議なことに、見事に頭に整理されていく。目が覚めるほど美しく力強い「高山祭り」と『破られた二千年の魔法』は、さらにこの感覚を強固なものにしてくれた。

千光寺で円空仏を見て、安房トンネルを越える。最初に高山を訪れたときはまだトンネルは工事中で、安房峠のヘアピンカーブでバスが切り返していたのを思い出す。上高地の入り口にある坂巻温泉に泊まる。立地条件はよくないが湯質はすばらしく、料理も美味しかった。

高山で入手した「山車」(さんしゃ)の純米吟醸花酵母造を、その風呂上がりにチビリと呑む。ひなびた山の温泉と極上の酒。この日本に生まれた喜びを噛みしめる。そしてこれから行くべき道を思いめぐらす。これでついに秘湯スタンプは10個満願。

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