アトリエの水源は純度100パーセントの山水で、3件共通の中継タンクのオーバーフロー水が、建物の前を流れている。配管で流れ落ちるそれを、いったん鋳物のオケで受けて、そこから溢れる水は幅10cmほどの自然水路で石垣の法尻に落ち、そこからは塩ビの雨どいを利用した水路に流れ、と中からまた土と石の溝にそって流れていく。
その水路際にワサビとクリンソウが生えており、それらが優位になるように手入れをしている。今年もクリンソウが咲き始めた。株はどんどん増え、また大きくなっている。家のすぐ脇とはいえ、この場所は昨年イノシシに荒らされたのだが、クリンソウは元気である。ちなみに、株の周囲の落ち葉はこの春に落ちたシラカシのものである。
ウグイスが気高くさえずり、イカルが小気味よく鳴く。が、とんでもなくデカイ声で外来種のガビチョウも鳴いたりする。蜂やアブ、ハエなどが次々に飛来する。ウスバシロチョウが飛び始める。レンゲツツジにコツバメがやって来る。肩にムラサキシジミが止まる。寒くもなく、暑くもない。外での焚き火が気持ちいい。まったく、5月の山は天国・・・。
連載の締め切りが迫っている。食事当番はYK。白インゲンと根菜、フェンネルのスープを作ってもらった。2年目のフェンネル株が肥大し、食べ甲斐のある茎になってきたのである。昨年秋に収穫した豆を、一晩かけて水で戻し、根菜と火にかける。味付けは塩コショウだけ。アトリエ定番の野菜スープである。外食では絶対に食べれぬ味なり。澄み切った極上の甘さ、乾豆とは思えぬ味わい。無農薬の野菜、天然の水と薪の火あればこそ・・・。
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