四万十式作業道取材1.(上田、別所「石湯」)


単行本の最終取材で西日本へ。これまでも何度か長期ドライブをしてきたが、今回は最長のものになるだろう。

初日の泊まりは信州上田。夕刻、別所温泉に入りにいく。駐車場から桐下駄に履き替え、今回は「石湯」へ。150円。無色透明だが、かすかに硫黄臭のような香りを感じる。濃い、なかなかいい湯である。

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風呂上がりの桐下駄の感触が本当にすばらしい。まったく、なんという気持ちのいい感触だろう。そして、石湯を出てくるおっさんのことごとくが、ビニールのサンダルなのにあらためて感じ入り、衝撃を受けた。

この数十年の、はなはだしい西洋化の間に、日本人は「囲炉裏」を消し去り、もうひとつ「下駄」を捨てた。足裏というのは人の感性や健康にとって非常に重要な部分である。囲炉裏と下駄、これらは人と地球をつなげる強力な装置だったのだ。


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