昨年の台風9号で崩れた石垣(Y先生の畑のもの)の直しを頼まれていた。イタルさんと二人で朝から作業に行く。
自然石を使った「野面(のづら)積み」というやつである。雨水が吹き出て崩れたものらしい。
まずは散らばった石を集めて積み直す近くまで上げていく。イタルさんは丁張(ちょうはり)をつくる。
積む場所の背を掘り、根石を入れる基部を掘り下げ、根石を置いていく。最も重要な石である。大きめで座りのいいものを選び、丁張のライン(これが基準面の目印になる)にツラを合わせる。
大きな石は下のほうに使って積んでいく。いちばん大事でいちばん難しい所である。HPの「石垣」にも書いたように、接線の重なりを避けたり重心を見るのはもちろんだが、各自の石に3点がきちんと接触しているのが重要なポイント。これさえできていればツラに穴が見えるのはいいのである(後から石を埋めれる)。
このへんの石の設置にはイタルさんはものすごく慎重な動きをみせる。丁張のラインにツラが合わさるのも重要なのだ。
だいぶ積み上がってきた。ハンマーで叩いて角を砕き、形を良くして入れたりもする。この間、裏込め石(この地域では「ゴズ」と呼ぶ)を常に入れながら積んでいく。
裏込め石は水はけを良くし、石垣裏の土が逃げない。相当の量がいるので、崩れた石垣を積み直す際には足りなくなる。今回も他所から運んだ(イタルさんのエンジン機器の運搬車で)。
上から見たところ。裏込め石の後ろには土を入れる。
粉雪が舞ってきたので火を焚きながら。石垣積みは手が特に冷える。
本日はここまで。