屋久島紀行10.(長崎心象)


明け方長崎到着。駅で路面電車の一日券(乗り放題500円)を買い、精力的に市内を見て回る。コペンは平和記念公園のパーキング(500円)へ。

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ちゃんぽんと皿うどんは中華街で食べたのが失敗だった。修学旅行生がどっさり歩いているようなところなのだった。

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統計したり科学したり分析するという西洋の毒を注入されることによって、日本人は古代からの自然とともにある直感力を失ってしまった。長崎はその毒の注入口だった。ザビエルがキリスト教の伝道という形をとって先鞭をつけた。そしてシーボルトが膨大な情報を集め、最後にグラバーがとどめを刺した。

グラバーの手口は、神道・儒教に根ざし武士道を重んじる日本人には、およそ思いつかないものであった。幕府側と反幕府側、両方の諸藩に武器を売りつけ、内乱を煽ったのである。それは東洋を征服するための、周到に準備された破壊工作であった。

かくして日本人は西洋化の果てに狂人・白痴になった。群馬から長崎に至るまで、僕らは膨大な数の郊外店を見た。24時間、煌々と明かりをつけ、毎日毎日恐ろしいほどの使い捨てをするハンバーガーショップが、群馬の足下から長崎の海のキワまで、実に均等に存在している。農地をつぶして地面にアスファルトをかぶせてしまった巨大マーケットの看板が、車で下道を移動していると、日に2度3度と現れるのだった。

ホテルでテレビをつけると、偽りの地球温暖化キャンペーンがあり、原油価格が高騰し、穀物価格が高騰していると、アナウンサーが口をぱくぱく動かしている。風光明媚で坂の多い、洒落た長崎の町をモチーフに歌をつくる歌手がやけにテレビに出ているのは、偶然ではないのだ。

破壊工作はいま最終段階に来ている。それが長崎の心象だった。

 


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