石垣取材旅2(阿波踊り二日目)


結局、河川敷の駐車場泊。蚊はいるし暑いし、もう汗でべとべとだが宿代節約にはこれしかないのだ。

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四国通には超有名な海岸沿いの大衆海鮮食堂「びんび屋」。友人が刺身盛定食をおごってくれた。群馬に住んでいると新鮮デカ盛り刺身がめちゃ美味く、そしてこの鳴門ワカメの大量ぶち込みみそ汁が嬉しい♪

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河川敷に戻ると引き潮で川の砂地が出ており、そこでシジミを採っているおばあちゃんに話しかけて写させてもらった。

「こんなとこで子供たちを遊ばせるのがええんよ。カネはかからんし、家に帰ったらよう眠るしなぁ」

昔はこの上に大きな砂地があり、台風で流される前はそこでもっと大量に採れたそうだ。しかし、さすが吉野川。河口近くなのに水が澄み、泥臭くない。シジミは小型のものが多いので中身は期待できないがいい出汁がでるそうだ。

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徳島の町へ出る。さっそく見つけた回転灯。

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阿波踊りは、昔から地方に存在する「盆踊り」や「念仏踊り」が発展したものらしい。400年の伝統があるという。しかし伝統に甘んじているわけではなさそうだ。形を継承しつつ、洗練を極め、いまここにあるという感じだ。

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着物姿の女性が美しい。目を隠すぎりぎりの位置の編み笠、帯と帯留めの色彩の合わせ、下駄や腰から下げる小物に至るまで、研ぎすまされたその美的感覚。とても動きにくい格好だと思うのだが、そこに阿波踊りの美しさのヒントがあるのだ。

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2拍子の弾むようなリズムと、団扇を巧みに使う男踊りのバランスがまたすばらしい。男の踊り手のハッピの色は地味だ。そして、腰を低くしてエネルギシュな回転運動で見せる踊りだ。それが女踊りの縦の動きを引き立てている。

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踊りのグループを「連(れん)」と呼ぶのだが、まず前陣に子供たちが踊るのがまた可愛い。編み笠から小物、下駄、すべてがまったく同じデザインのユニフォームが揃えられているので、まるで人形のようにも見える。また、次に流れてくる大人たちとの相似形が、命の成長を讃えているようにも感じられ、それが祭りのテーマのようにも思えてくる。

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連の最後はカネと太鼓の音楽隊で締められる。シンプルだけど、緩急のリズムを取り入れて飽きさせない。その響きは鼓膜よりも全身の細胞を振るわすかのように人を振動させ、踊りを見ている目とシンクロしてくる。そのうちに忘我の境地に入っていき、自分が踊り子と一体になっていく不思議な感覚を味わえる。

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連には様々な衣装と踊りのオリジナルがあって、男踊りと女踊りが交差したり、途中で派手なパフォーマンスを見せてくれたりもする。つまるところ、すべてが女踊りを引き立てるための装置であるように思える。そこに徹しているところに打たれる。

和服の女性たちはとてもしなやかに見え、野生のツルや若鮎やイカナゴのようにも、蝶の羽ばたきのようにも見える。カネを叩くバチの先は鹿の角を使っており、太鼓はもちろんケヤキなどの木と動物の皮が使われている。そして、この祭りには大掛かりな山車などは一つもない。和服と小さな小物だけ。

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新聞によれば昨日の人出は39万人と。そして今日はお祭り最終日だった。桟敷席で見ることにした。特設会場が設けられており、席によって値段が違う。お金で見る場所の階層をつけるのはいかがなものかと思うのだが、我々は最も安い1000円の自由席へ。1時間ほど前から並んで、なるべく中央よりの席を陣取る。

ここでは連の踊りの運動構造・構成がよりはっきり感じられ、見ることができた。企業や学生の連などもあって、それなりに弛んで腐ったオーラを発しているグループもあり、きびきびとした美しいグループもあり、世相を反映しなかなか興味深い。

 

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徳島名産「スダチ」キャラも出演したりして、いいね。

ともあれ、紙芝居ライブなどをやっている僕らにはまったく圧倒的な感動と学びをもたらしてくれた阿波踊りであった。


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