いよいよ石垣積みも最終段階。上になれば石が小さくなるとはいえ、1段ごとに裏込め石を入れねばならないので、相変わらずスローペース。とにかく、小石だって集まれば重いんです。
石が小さくなるとどうしてもぐらつくので、裏からカイ石でしっかり固定。重要なところはハンマーを使うことも。
上から地面を撮る。あれだけの石の山がいまはこんなに。よくぞ動かしたり。水糸は2本(間隔は40cmほど)。これで左右の直線だけでなく垂直方向の直線もチェックできる。左右はともかく縦のラインを正確に積むのは難しいものだ。いちばんよくないのは石垣がはらんでしまうこと。見た目にもよくないが、土圧にも弱い。城郭の石垣が逆ぞりしているのは、敵からの侵入を防ぐだけでなく、アーチと同じく力学的にも理にかなっているのだ。
天端の処理はひかえの長い石を積むのがいい。かといって大きな石でひかえの長い石は先に使ってしまうことが多く、残りが少ないのであった。小さめの石のほうが天端の直線がきれいに揃いやすい。
ほぼ積み上がった。高さは2mちょっと、今回の作業幅は約5m。あとは天端の上の土の処理。それと作業場の石の残りの片付けを残すのみ。