チビカマに点火できたので次に台所の改装に入る。台所には絨毯が敷いてあったが、僕らは引き渡しの際これをはがしてもらっていた。さらにこの板をはがして土間に戻そうと思うのである。そして右側の窓と棚を外したい。
その窓と壁を外から見たところ。ここが開くと庭と空間がつながり、外ではチビカマ、中では囲炉裏、という使い分けができる。
アルミサッシ枠は案外簡単に外れる。外枠の釘を小バールで抜き、内枠のネジを電動ドライバーで抜く。そうするとスルリと取れてしまう。
下の壁をはがしていく。いちばん外側は木目がプリントしてあるトタン板。その内側はベニア板。というよくあるパターン。
ベニアは湿気で各辺の周囲がぶよぶよになっている。
ベニア板をバールではがし、角材に残った釘を抜いておく。ベニアは捨てるしかないが、角材などは再利用できるし、解体で割れてしまったら薪にすればよい。
出窓側面の板の外しがなかなか手強い。ラワンの一枚板を使っていた。ラワンは狂いが少ないので、集成材のなかった昔はよく使われたのである。フタバガキ科の巨木で、熱帯雨林の原生林に生える。植林などでは再生不可能な樹木だが、日本は大正時代から東南アジアの熱帯雨林を大量伐採しながらこの木を使ってきたのである。ラワンを機械で薄くカツラ剥きし、それを張り合わせたものがベニア板だ。最近では資源が枯渇したため針葉樹合板が出回っている。
ようやく外し終わって「わーいわーい、快適~」と喜ぶYK。
黒く燻(いぶ)された柱、それに打ち付けられた内壁のプリント合板をめくると、はたして奧には煤けた土壁と貫が見える。やはり昔はここにも囲炉裏があったのだ。改装中に「大仕事が始まったね」とご近所のSさんがやってきた。
もともとSさんのおじいいさんの弟さんが、この家を建てて住み始めたという。「台所は土間でね、囲炉裏はあったよ」とSさん。ならば煙り抜きがあっていいはずなのだが、中二階の構造なので高窓がついていない。おそらく側壁に?しかし昭和の50年代に改装して下屋(風呂)がくっついているので壁が見えない。天井板を剥がせば解るだろう。
まだまだ工事途中なのですが、YKくつろいでます。
旧アトリエにストックしておいた木製建具のガラス戸を仮置きしてみた。これも長野の蔵の解体現場からやってきたもの。ここに来なければミンチ粉砕されて銭湯の燃し木にでもなっていたのだろうか。木目の詰まった材を使った重厚な建具である。
内側から庭をみたところ。明るくなって気持ちいい! ただし、これからフローリングを剥がして土間に囲炉裏を新設するという大仕事が残っています。だからこの戸の位置はもっと下がるわけで、そのレールをどのようにつけたらいいか? など、難問がいっぱいあるのです。
夕刻、町に出て銭湯に入り、さっそく庭でバーベキューをやった。そしてご飯を焚いた。ここで初めての薪焚きのご飯である。美味しい!!!! 水は水道だけど、ここ梅田の水は塩素臭はほとんど感じないからね(その点、桐生市内の銭湯の塩素臭にはまいる)。
で、締めといたしまして、削りたて鰹節「ネコマンマ」でございます。ああ、極上の幸せ。。。