桐生に来てなにが素晴らしいかといえば、街も人も大好きなんだが、ネットが「光」になってユーチューブが見れるようになったコト!
まず第一弾はジャズギターの巨匠、ジョー・パス。
ンー、何度聴いてもしびれるぜ。
ところで・・・
その昔、イラストの仕事に恵まれなかった時代、あんまりヒマだったので、ウェス・モンゴメリーやジョー・パスのソロをコピーして遊んでいたことがある。
で、『 ヴァーチュオーゾ/ジョー・パス』の「夜も昼も」をレコードを何度も回しながら、1ヶ月ほどかけてフォークギターで完全コピーしてしまったこともあったっけ(かなり怪しい部分はあるが・・・)。
あの頃はジャズギターに入れ込んでいたのだが、べつにバンドに入ってなんかするとかそんな気はぜんぜんなく、ただジャズギターの音が好きで好きで気に入った演奏やフレーズを耳コピーしていたのだった。で、ココからは昔の日記から・・・
実は、原宿のライブハウスで、亡くなる前のジョー・パスに出会った思い出がある。貧乏だったが、大枚はたいてチケットを買い、早めに会場にでかけてギターの指運がいちばん見える位置に席を陣取って開演を待っていると・・・
なんと、楽屋からジョー・パスがふらりと現れて、僕のテーブルの目の前の席に座ったのだ(!)。
すごい迫力あるオッサンだった。葉巻をくゆらしていた。そして片手にはマクドナルドのコーヒーカップが握られていた(笑)。
楽屋が狭いというので、気まぐれに客席へやってきたのだった。
話しかけられたのだが、僕はあっけにとられてしばらく言葉が出なかった。口はぱくぱくしていたと思う。もともと英語なんか話せないのだオレは。しかしジョー・パスはにこやかに笑いながら僕との距離をつめて場を取り持った。その仕草に、彼のなんともナイーブで暖かな人柄が感じられた。
その夜のギター・ソロはすばらしかった上に、「夜も昼も」の話が伝わったのか付き人を介して未発売のCDを貰った。
「ジョーがこれをあなたにあげるって・・・」と。
・・・・
彼のデビューアルバムは『サウンド・オブ・シナノン』「シナノン」とは彼が若き日を過ごした麻薬療養所の名前である。
翌々年くらいではなかったろうか、ジヨー・パスが亡くなったのは。思えばあれが最後の日本公演だったのだ。