内陸部のナラ枯れを見たいので高山方面か安房峠を松本に抜けることにした。富山市猪谷関所跡付近、一部にナラ枯れ目立つ山あり。かなり前に枯れたと思われる木と重層している感じ。
神通川を上っていく。民家の様式が飛騨高山風に変わる。雪の重みを支える工夫が意匠になっている。
川にはアユ釣り人がたくさん。川の透明度はすばらしい。ナラ枯れはこのあたりまでだった、神岡から上流には少ない。
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神岡に着く。ここ神岡鉱山はイタイイタイ病の原因になった所だ。私の頭には磯崎新の設計の旧庁舎が神岡イメージになっている。
道の駅「スカイドーム神岡」ニュートリノコーナーで、カミオカンデの模型や光電子倍増管の実物に触れる。
神岡鉱山内の地下1000mに直径・高さ約40mの円筒形水タンクを造り、その壁に1万3千本の光電子増倍管光センサーがびっしりと埋め込まれている。その断面模型。
物質をかぎりなく細分していくと最後には原子になるが、原子の中には原子核があり、陽子と中性子で構成される。その陽子は素粒子(クオーク)でが三つ結びついてできている。物質を造らない素粒子もあってこれらは宇宙から常に飛んでくる。これをニュートリノと呼ぶ。これらを構成する最小単位の素粒子たちの動向を観察する装置がこのカミオカンデだ、というお話。
先日、新潟での高嶋博士の講演で素粒子の話が出ていたので、この部屋のモニター説明を片っ端から聴いてしまったのでした(笑)。
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奥飛騨温泉郷へ。懐かしの新穂高温泉まで行ってみる。私は1987年の夏、北アルプスを2週間かけてキャンプ縦走したことがある。そのときの出だしは上高地~新中尾峠~新穂高温泉~クリヤ谷~笠ケ岳~、だった。
久しぶりに見る北アルプスの渓谷は胸のすくような色だ。たまにはこんな渓を見に来ないとな。ダムだらけの濁り中流ばかり観てたら頭が腐っちゃうよ。
分岐点に戻り、福地温泉に寄ってみる。むかしばなしの里の「石動の湯」という日帰り湯へ。ほぼ透明なラジウム泉。けっこう効く効く。40年前に移築したという古民家に囲炉裏がでん、とある。そこでイワナや五平餅を焼いているのだが、入浴後五平餅を1本サービスで食べさせてもらえるのだ。入浴料は500円だよ。なかなかいいんでないかい?
炎は立てていない。炭ではなくオガライトなのが笑った・・・。
弁慶に差してある素焼きのイワナ、骨酒用とか。
ただし有名温泉ってのはマナーの悪い客とぶつかる確立が高い。マナーというほどでもないが、温泉は静かにしとやかに入ってもらたいよなぁ。デカイ声で隣湯のお父ちゃんと会話するオバサンとか、スーパー銭湯よろしく泡だらけで頭を洗い出すオジサンとか、一緒になるとツライよ。
ここは一泊1.5万円以上中には3万なんて部屋もあるらしい。1.5万円以上の宿なんて庶民はおいそれと行けませんよ。だから日帰り湯になるわけで・・・。
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温泉に浸かったら車中泊もしんどくなり、松本3時着になりそうなのでネットでT横の空きを調べてみたがすべて満室。上田が空いていたので予約して、和田峠を越えて運転もうひと頑張り。
信州上田といえばお気に入りの居酒屋があったのだが今年5月、旅の途中に訪れたら店のメンバーが変わり、味もすっかり落ちてしまった。というわけでやっぱり刀屋。酒をたのんで蕎麦をたべる、これが実に合うんですな。刀屋はつきだしの漬け物も本物ですからそれで飲んでいるうちに・・・
「盛り」が届く。
これで普通盛りというのも凄いが、味がまたすばらしいのだ! 何度訪れてもブレがない。そばつゆも甘辛度ひかえめで酒を邪魔しない。
別にとった天ぷらをときにしゃりり、とやりながら蕎麦をズズズ・もぐもぐ。次いで酒をちびり。・・・魅惑のトライアングルですなぁ。
池波正太郎の色紙がある小上がりで、菊正の冷やを2本。店のお姉さんも飲む客の扱いを心得ていて、実に気持ちがよい。
ホテルに戻ってブログ書き。
明日は上田の「緩速ろ過浄水場」を観て帰ろう。