『日本政府の森林偽装』の著者、熊本の平野虎丸さんが桐生にやってきた。虎丸さんには今年3月の九州講演で泊めていただき、さらに新著の取材で5月に再訪。今回は関東の山を見たいとのご希望と、東京にて報道機関の取材があるとのことだった。
桐生駅から市内を周遊。シャッター街の続くあまりのゴーストタウンぶりにびっくりされていた。いいところも見せねばと、レンガのノコギリ屋根工場を改装したパン屋さんカフェにお連れする。
今宵のお宿、梅田の「忍木菟屋」にインする前に、そこを通り越して桐生ダムの上にある原木市場「林開」へ。
ちょっと衝撃だったのはこのいい感じの杉丸太の使い道が、なんと料亭用の「割りばし」だったこと。そのほうが儲かる市場があるわけだ。木材流通の裏事情は複雑怪奇である。一昔前は群馬県産材が関西の市場に運ばれて「吉野材」として売られていたこともある。
高度成長期やバブルの頃、吉野ブランドも材が底をつき、他からの材を吉野山産とウソをついて高値で売っていたわけである。トラックで関西市場へ運んでも十分ペイできれば運ぶ。現実はそれで造られた虚飾の家なのだ。
その吉野ブランド材が、東京で使われていたりする。しかし、今の不景気で吉野ブランドの高値は避けられる。だから吉野のハンコを打つとそれだけで売れない。いま、吉野であることを隠して売っているという。
夜は囲炉裏でおもてなし。
リアルタイム動画配信サイト「USTREAM」のアカウントを取得して囲炉裏部屋での会話アップを試みたりした。