ふと海の方をみると、女木島が夕日に赤く染まっていた。
今日はスーパーでいかなごの茹でたのを見つけて、思わず買い込んだ。瀬戸内の春の味覚である。頭から骨、内蔵までまるごと食べる。少々クセがあるので、赤札なんかは買っちゃいけない。朝採れの茹でたものをその日に食べると、それはそれは旨い。パッケージには練り辛子が入っていたが、混ぜ物が多いので、私は柑橘をしぼり、ショウガのすりおろしで食べた。
付け合わせは菜の花のごま油炒め。これも春の味覚。
私の中に、瀬戸内の味の、季節の体内時計ができつつある。
このごろ、都会のなかに料理男子が増えているのは、バーチャルがあふれかえる現代の中で、料理というものが唯一リアルだからではないだろうか。リアルへの回帰である。
四季折々の日本の味覚に回帰したいものである。