新著仕上がる、香川の山


ようやく新著が片付いた。当初は2010年内に終わらせるつもりがずるずると伸びてもう2011の4月になってしまった! まあ、いつもの事なんだが。居候しているここ高松ではケーブルテレビの配線でネットをやっているので東京の出版社とのデータのやりとりも楽々。最終版下をCDに焼いて郵パックで送り、カバーデザインもうまくいってほっとしている。

思えば校正から最後のデザインの詰めまで1ヶ月もかかっているわけで、ページ数が多いこともあるが図版や写真の多い本というのはまったく手がかかる。著者の仕事の最後に、装丁デザイナーや編集者にお願いしているカバーデザインのチェックがあるのだが、さすがにこの頃はアゴが上がって「もうどうでもいいやぁ」という気分になってくる(が、ここで気を抜いては絶対いけないのだ)。今回の本は森づくり・林業の最終解答というような本だ。新たな林業への提言でもあり、私が森林ボランティア経由で林業に入門してここまで、この本には15年の歳月が込められている。


新著「はじめに」の末文を紹介する。

本書の執筆を始めた二〇一〇年は、森と林業にとって象徴的な年だった。前年から多くの人工林が豪雨と大雪によって崩壊した。山林の地価は底値となり、外国資本が日本の森を買収し始めたことが話題になった。夏から秋にかけてナラ枯れが広範囲に広がり、そして秋には里や町にまでクマが出没し「奥山に餌がないからだ」「いや、実はクマは増えているのだ」というような論争が巻き起こった。皆の意識は地球規模の環境保全にまで高まっているのに、こと日本の森と林業に関しては、どれを、何を信じていいかわからないようなのだ。
これまで私が林業開眼まで辿り着いた軌跡、そして全国を歩いた取材写真、さらに近年インターネットや実践的研究者によって明らかになっていく日本の森の真の姿を紹介しながら、そのもつれた糸をほぐしてみたい。

書店に並ぶのは5月になると思うが、またまた目からウロコのあっと驚くような内容なので大いに期待してお待ち下さいな。さて、そんな仕事の息抜きに高松周辺の山を散策してきた。

この日はワインを買い込んで花見。遠くに瀬戸内の海。屋島と五剣山が見える。この山を見ると高松に来たなぁ、という気分になる。

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周囲は自然林が豊か。ヤマザクラが咲いている。

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マツ枯れ跡地にまたマツが再生したり広葉樹が育っていたり。

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広葉樹は刈っても毎年次々に萌芽してくる。

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枯れたマツが白骨樹に。

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そこにキツツキの穴。枯れた木も自然の重要な構成要素。

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その向こうは針広混交林になっている。上部にヒノキ。下の方はスギだが、風害で折れたか乾燥で枯れてしまったのだろうか、その空きの部分に広葉樹・ヤマザクラが育っている。これら後続樹は自然に生えてきたものだろう。

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放置されたビワの果樹園にカズラがかぶさり、高木性の陰樹が突き出て優勢になろうとしている。

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いま、このような日本の山の真の姿を見抜ける人は、実はごくわずかしかいない。今回の新著はその部分に光を当て、その結果として導き出される新しい林業の姿を紹介するものだ。

以前、個展でお世話になった郊外のギャラリーも訪ねてみる。地元の工芸作家がグループ展をしていた。

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これは私がyuiさんと個展をやったときの写真。

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あれから8年、その間に本が4冊。うん、これでは食えないわな(笑)。

未来樹2001「紙芝居個展プロジェクト」


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