月とすいとん


すいとんを作った。明日は満月で大潮である。明け方に引き潮が最大になるので、岩牡蠣を採りにいく約束をしている。外にはまるい月が煌々と輝いている。それを見ていたら、かつて仕事で月夜の挿画を描いたときのことを思い出した。その取材で酔狂にも奥多摩の夜の登山道を歩き、滝にかかる月虹を見に行ったことがあるのだ。そして月を待つ間、沢の水でけんちん汁を作り、小麦粉を練ってすいとんを作ったのだった。

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