新居に引っ越して初めての冬を迎えているが、無垢のスギ材は温かいということをしみじみ味わっている。スギは柔らかく傷つきやすい、また汚れやすいので床材には敬遠する建築家が多い。
ナラやサクラ、タモなどの広葉樹が王道であり、それを付き板でコストダウンを計る(つまり合板である)。あるいは無垢でも塗装して表面を覆ってしまので床は冷たい。現代住宅は西洋の模倣がベースにある。あちらは靴を履いたまま部屋を歩く文化である。
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2階の床は30mmの無垢材だからその性能は言わずもがななのだが、ちょっと驚いたのは1階のフローリングの温かさである。
最初は1・2階全部屋に低温乾燥スギ(愛工房)30mmを張りたかったが、予算が合わずそれは2階の囲炉裏暖炉があるワンフロアーだけ。あとは高温乾燥の30mm、そして1階は15mmの厚みで我慢した。
その場合、一般には下地に合板を用い、その上に15mmを張るのだが、この家では合板を避け12mmのスギ野地板を使ったのである。
これが温かいのだ。