箱火鉢、始動♫


新居は夏の日照を押さえるために窓を小さめに設計してもらった。そのせいか春・秋の季節、外は天気がいいのに室内やや肌寒い、と感じる日がある。天気がいいんだから外に出りゃいいんだけれど、仕事柄パソコンにかじりつかねばばならない日もある。

そこで火鉢登場♫。これを仕事イスの背面床に置いて小さな炭火をともすだけで、温かさは絶大な効果がある。背後からじんわりとやってくる炭の温かさはなんとも心地よい。

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この箱火鉢は群馬在住時代に骨董市で手に入れたものだ。ケヤキの板で作られていて木目が美しい。把っ手や上面のぐるりは別の種類の木がはめ込まれている。これはなんと黒柿で、床の間の内装に珍重される銘木である。

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火鉢のサイズにぴったりな三ツ爪(ヤカンをのせる五徳)や・・・

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真鍮製の火箸もそのとき入手した。これらは今新品を作らせて購入しようとすれば大変な金額になってしまうが、そのときは運良く、驚くほど安く手に入れたのだった。

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この箱火鉢が便利なのはまず軽いことで、火をつけたまま両手で持ち上げて簡単に運べる。だから、囲炉裏暖炉で炭に火をつけて箱火鉢に入れ、それを暖が必要なところへ運べばいいので、とても安全なのだ。ジョレンに真っ赤な炭を入れて移動しているとき、炭を落として床を焦がしてしまうことがよくあるからだ。

さて使っている炭だが、囲炉裏暖炉でできた燠炭(おきずみ)がちょうど火消し壷に満杯になったので、それを使っている。囲炉裏暖炉を消して就寝するとき、炉床に残っている炭は火消し壷に入れるのだが、それがだんだん溜まっていく。それを保存しておいて火鉢に使うと経済的だしムダがない。

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火鉢には鉄瓶を載せておくと湯も沸いてお茶も飲めるし、鉄瓶を置くことで裸火が隠れて、不用意にモノが落ちたときなどに安全でもある。

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で、火鉢にはこんな愉しみもある。秋といえば銀杏♫

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それを炭火で焼く。焼き網は100円ショップで買ってきた銅線で自分で編んだもの。

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なんといっても銀杏は炭火で焼いたものが美味い。

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ついでにパンを薄く切って焼いてみる。ウチでは通常、ガス台でセラミック金網を使ってトーストをつくるが、炭火がおきているときはこっちがいい♫ 炭が香るんだよね。

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火鉢はふつう畳部屋で使うものだが、スギのフローリングだと床に座る「和の生活」もできて、火鉢が使いやすい。これがヒノキとなると、ちょっとキツいかもしれない。広葉樹のフローリングだと硬く冷たいので、スリッパとソファーの暮らしになり、火鉢や囲炉裏は使いにくい。

だから、スギ材というのは、和と洋の暮らしをつなぐ重要な素材ととらえることもできる。

もちろんスギ柔らかいので傷がつきやすく、汚れやすいので、そのぶん緊張を強いられ、マメな拭き掃除も必要となる。が、幸い廉価なフローリング材は節だらけなので、傷や汚れはそれほど目立たないのである(笑)。


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