ちょっ蔵広場、 秋保温泉共同浴場


広重美術館から30kmほど先、同じ栃木県内にもうひとつ隈研吾設計の建物がある。こちらは木の建築ではなく大谷石を使ったもので、駅前の広場に建てられた公共施設である。ここ、名前が「ちょっ蔵広場」という。「ちょっくら行ってくっぺぇ」というノリの北関東訛のもじりであろうw。

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大谷、再び足利へ


天気が良く暖かい。また栃木方面にお出かけ。前々から興味を持っていた大谷石の採掘跡を見にいく。大谷石は栃木県の宇都宮の近くにある大谷という町にある岩脈で、その石は軽く加工しやすく色も爽やかなクリーム色で、素材感がとても優しい。火災にも強い。水戸で生まれ育った僕は、この石には馴染みが深い。蔵の建築に使われていたり、大谷石の町の塀はそこかしこでみられたものである。

「大谷資料館」ではその石や採掘道具などををみられるだけでなく、採掘跡の地下壕に入れるのだった。すでに資料館に近づくにつて大谷石の岸壁がそこかしこにそそり立ち、露天掘りで採掘した跡もみられる。地下道からその採掘跡に入る。寒い。中の空間は驚くほど広い。だけど、かつて日原鍾乳洞で受けたような感銘はなかった。ここでアートの展示やイベントが行なわれているそうだが、僕は見たいとは思わない。ただし、大谷石が魅力的な建築素材であることには変わりない。

大正時代、フランク・ロイド・ライトが「帝国ホテル」の建築設計にこの大谷石を採用したことは有名だ。装飾過剰なライトの作風に、この大谷石の気品のあるナチュラルさは、多いに貢献したことだろう。ライトはこの大谷石に惚れ込み、設計・施行の過程でわくわくしながら完成を見守ったことだろう。

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